“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第550回】

長谷川博己の亡父への思い、戸田恵子や松坂慶子の介護、チェッカーズ昔話……「日本の高齢化」を反映する女性週刊誌

2021/04/27 21:00
神林広恵(ライター)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 「女性自身」表4(後ろの表紙)をめくってびっくり。巻末グラビア頁に作家の室井佑月、51歳の白無垢姿と顔写真がデカデカと載っていた! 実はこの結婚式に筆者も参加していて、確かに実物もお綺麗だったが、ここまでアップでしかもカラーで掲載って――。連載作家への熱いお祝いの思いが溢れた「女性自身」グラビアだった。

「女性自身」5月11・18日合併号(光文社)

第550回(4/25〜4/27発売号より)
1位「長谷川博己 3日フル実家大整理に『亡父との約束』感涙秘話」(「女性自身」5月11・18日合併号)
同「戸田恵子50年前離別の90歳父をワンオペ介護中」(「女性自身」5月11・18日合併号)
同「松坂慶子『恩讐を超えて』あの絶縁母を自宅で看取るまで」(「女性セブン」5月6・13日合併号)
2位「藤井フミヤの“チェッカーズ曲”解禁で高まる再結成の気運」(「週刊女性」5月11・18日合併号)
3位 ほかにも沢山! 女性週刊誌の“過去振り返り芸能企画”の数々

 ゴールデンウイーク直前だからか、緊急事態宣言の直前だったからか。女性週刊誌には大したネタが載っていない。そして目に付くのが、芸能人たちの“親ネタ”だ。芸能人自身の近況やスキャンダルなどではなく、彼らが直面している親の介護や看取りなどを取り上げ、それが企画となり記事となる。

 まずは大河ドラマも一息つき、長年の恋人・鈴木京香との関係が取りざたされている長谷川博己。しかし「女性自身」の記事には鈴木の名前はおろか、その存在についても一切触れられてはいない。代わってモチーフとなっているのが2年前に逝去した長谷川の実父の存在だ。


 亡父の三回忌当日、長谷川は東京郊外の実家でひとり荷物を運び出すなど家の大整理を行ったという。この実家に関しては父親の死後、母親が相続したが、しかし昨年2月、息子の長谷川がこれを“相続”したのだ。そして記事には、生前の父親と長谷川との関係や確執、亡父の家に対する思い、それを相続した長谷川の思いなどが綴られていく。

 そして次は女優の戸田恵子。戸田は16年前に他界した母親を自宅で介護したという経験を持つが、今度は実父の介護を行っていると記事では紹介されている。すでに50年も前に母親とは離婚した父親だったが、数年前に脳梗塞で倒れ、名古屋の施設に入居していた。しかしコロナ禍では見舞いもままならない。そのため東京の介護施設に入居させ、足繁く通い通院に付き添い、会えない日は電話をする日々――。

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