石川県・能登金沢のソウルフード「いわしいしる」知ってる? 実はエスニック料理に最適! おすすめレシピ集
――地元で愛され続ける、家庭料理の味。北海道から沖縄までそれぞれの地域でロングセラーを誇るローカルな商品を、調味料ソムリエ/野菜ソムリエ・MICHIKOさんが紹介していきます。
石川県の味【いわしいしる】
今回は能登金沢のソウルフード「いわしいしる」をご紹介いたします。「魚醤」の一つと聞いて、エスニック料理を思い起こす方も多いのではないでしょうか。
能登は奈良時代には遣唐使の出航地として栄え、古い文化を受け継いできました。昔からイワシやイカ等の魚がたくさん獲れ、その新鮮なイワシと塩だけで作られるのが「魚汁=いしる」です。いしるとは、この地方に伝わる呼び名、古語。
イワシをミンチにして、イワシの肝臓の酵素で魚の身を溶かし、1年半以上もゆっくりと寝かせることで、塩味がまろやかでアミノ酸豊富な「いわしいしる」(株式会社ヤマト醬油味噌)が出来上がります。熟成により、生臭みもなく、独特の発酵で生まれる香りが食欲をそそります。天然の旨味の宝庫です。
【いわしいしる】楽しむためのポイントレシピ
地元では大きなホタテ貝の殻にいしると海藻、魚などを入れて煮ていたとか。今なら野菜も加えてお鍋でしょうか。鍋やスープとして使うには、いしるを湯(1:13)でのばします。香りが苦手な人も、火を入れることで臭みがなくなり、おいしい食欲をそそる香りに変わります。
根菜の煮物なら、いしると水(1:10)に一口大に切った根菜を加えて10分ほど煮るだけで、煮含めずともアミノ酸の力でサッと味がしみます。最後にイカなどを加えて煮れば最高のおいしさに!
おススメは「ベン漬け」いう浅漬けサラダです。いしると水(1:3)を混ぜた漬け液に、ざく切りにしたキュウリやナス、大根などを入れ、冷蔵庫で一晩漬けるだけ。ほかに納豆や焼いたナス、お刺身にかけても。醤油より少なめにかけるのがコツです。
ほかにも、そのまま薄めれば使える鰹節だしが入った便利な「いしるだし」もおススメです。
これ1本あれば、あなたも料理上手に♪
【いわしいしる】アレンジレシピ:のと風エビと春雨のサラダ
みんな大好きアジアンサラダを「いわしいしる」で作る! いしるの旨味とレモンの風味がすがすがしくて、ピリッと辛い♪
【材 料】(2人分)
・小エビ 50g(茹で)、春雨 40g、黄パプリカ 50g、紫玉ねぎ 30g、香草 適量
(A)ドレッシング
・いわしいしる、レモン汁 各大さじ1.5
・赤唐辛子(輪切り) 小さじ1
【作り方】
1)春雨は3分ほど熱湯で茹で、冷水にとってから軽く水気を切る。黄パプリカはヘタと種をとり、紫玉ねぎとともに薄切りにする。
2)ボウルに(A)を加えて混ぜ、エビと1)を加えて混ぜ合わせる。
3)器に盛り、長さ2cmに切った香草を添える。
※隠し味に砂糖を少し、味が濃い時は水を少量加えましょう。