コラム
知られざる女子刑務所ライフ115

元犯罪者とノーギャラで渡り合う「保護司」というお仕事! 元女囚が更生経験者の採用を提案

2021/04/18 16:00
中野瑠美改め瑠壬(作家)
法務省 写真ACより

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

保護司も高齢化で人材不足

 最近は清原和博さんをはじめ「更生」のニュースが多くてワクワクしますが、けっこう前から「保護司さん不足」が話題ですね。

 ちゅうかカタギの皆さんは、そもそも「保護司さん」てご存じでしょうか? 「犯罪者などの改善・更生を助け、犯罪予防のための保護観察に当たる者。社会的信望などを有する民間人の中から法務大臣が委嘱する」お仕事で、元不良と渡り合うのにノーギャラなんですよ。こんなタダ働きの制度があるのは日本だけやそうです。

 記事によりますと、保護司さんは全国で約4万6,000人で、平均年齢は65歳過ぎ。一応「定年」はあるそうですが、なんと78歳。しかも78歳までつとめる人がけっこういてるそうですよ。 問題は、「新しく入ってくる人がほとんどいない」ちゅうことなんですね。

 保護司さんになれるのは、だいたいお坊さんとか元教師とかで、定年に近い保護司さんが後任を誰かに頼むそうですが、やりたい人は減ってるんですね。それはそうやろと思います。「ノーギャラで元犯罪者と付き合いたい人」なんか、まずいてないでしょう。

 法務省は、公務員OBとか社会福祉関係の人、会社の社長さんなどにコナをかけるようにしているそうですが、それだけやと追いつかないから、最近は「ギャラの検討も含めて養成や募集に力を入れろ」ちゅう声もあるようです。

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