コラム
仁科友里「女のための有名人深読み週報」

小室圭氏は国民の望むものがわかっていない。「切実に名誉の問題」と語る“小室ブリーフ2021”に思うこと

2021/04/15 21:00
仁科友里(ライター)

 皇室と名誉といえば、渡辺みどり著『美智子皇后「みのりの秋」』(文春文庫)で、こんなエピソードが紹介されている。民間から初めて皇室にお輿入れになった美智子さまが廃止した乳人制度だが、上皇さまは乳人によって育てられた。当時、乳人に選ばれるのは名誉なことであり、宮内省(当時)は全国から乳人候補を探したという。白羽の矢が立った女性は、慎重を期して、警察が本人はもちろん、両親、夫の両親、近親者に犯罪者、思想犯などがいないか、徹底的に調べたそうだ。

 小室氏や若い世代の人は、こういう“調査”を「名誉を棄損している、プライバシーの侵害だ」と思うかもしれない。しかし、自分が潔白であると積極的に証明することで、まず本人の名誉が保たれる。有事の際は、宮内省関係者が対応しやすいことを考えると、この場合の名誉は、個人の権利である前に、“透明性”や“客観性”を必要とするといえるのではないか。私から見ると小室氏は、「傷つきやすく、権利を侵害されると頑なになるが、義務を果たすことには熱心でない」人物に見えてならない。

 不敬を承知でいろいろと書いたが、私は小室氏の仕事の目途が立ったら、結婚するとよいと思う。ただし、経済的な基盤ができても、懸念材料には事欠かないだろう。今回の“小室ブリーフ”で小室氏がプライドが高いこと、他人の気持ちを考えることが得意でない(読み手のことを考えたら、もっと文書を簡潔にまとめるだろう)ことが明らかになったように感じている。

 結婚とは、離婚のリスクを抱えることだが、「週刊女性」17年6月13日号によると、眞子さまは離婚した場合、皇居や宮邸には住めないという。モラハラや暴力など、夫婦の間に危機はいくらでもあるが、眞子さまは「帰る場所がない」状態で結婚しなくてはならないのだ。

 内親王のお相手といえば、上皇陛下のご長女・紀宮さまと結婚した黒田慶樹氏は、婚約内定会見で「宮さまには、これからの生活の多くが新しいことで、ご不安をお感じなることも多くおありかと存じますけれども、私といたしましては、できる限りのことをさせていただきたいと存じております」と、紀宮さまファーストで生活を組み立てる覚悟を見せていた。小室氏にこの配慮と覚悟はあるのかーー。全ての結婚は賭けだが、眞子さまにはこの賭けに、負けてほしくないと願うばかりだ。

仁科友里(ライター)

1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

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最終更新:2021/04/15 21:00
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