オンナ万引きGメン日誌

女子高生2人組の正体は「万引き商人」! ホストクラブで遊ぶカネ欲しさに……何食わぬ顔で盗みまくる!!

2021/04/10 16:00
澄江(保安員)
写真ACより

 こんにちは、保安員の澄江です。

 ここのところ、窃盗団による大量万引きが全国で頻発しています。ベトナム人の犯行ばかりがクローズアップされていますが、日本人の組織的窃盗団も多数潜在していて、悪質極まりないやり口で大量の高額商品が盗まれている状況です。正規買い取り店やネットオークションで盗品を処分するには、本人確認が必要となるため、一定の犯罪抑止力を有していると思われます。しかし近頃は、盗品を買い取る専門業者等の出現もあって、その処分は安易になってきたようです。

 商品の買い取り相場は、業者の需要に合わせて変動するようで、オーダーを受けて犯行に及ぶ人まで存在します。こうした人たちは、この道のプロのようなもので、その捕捉は至難です。大量の高額商品を持ち出した3人組の男が、制止を振り切って車に乗り込み急発進させ、駐車場のゲートを吹き飛ばして逃走したこともありました。組織的な犯行は大胆になりがちで、声かけ時に身の危険を感じることが多く、逃走される可能性が高いのです。捕まらなければ、何をしてもいい。そんな理屈を押し通すような犯行を目の当たりにして、怒りに震えたことも数知れません。今回は、換金目的の万引き商人について、お話ししたいと思います。

 当日の現場は、大型ショッピングモールE。まだ開店したばかりのショッピングモールですが、若い子に人気のあるアパレルショップやデザートショップなどが多数入っていることから、すでに地域の人気スポットになっています。今回は、アパレルショップにおける万引きが後を絶たないということで摘発の依頼をいただき、現場に入ることになりました。総合事務所まで挨拶に行くと保安関係の話がわかる方は誰もおらず、受付の女子社員から面倒くさそうに対応されたので、見返してやりたい気持ちで現場に入ります。

 モール内の面積が広すぎるため、被害が多そうな店舗に目星をつけて、そこを中心に巡回することにしました。夕方になり、若い人たちの出入りが目立つようになると、ようやくに強い不審者が目に止まります。2階にある人気セレクトショップで、ある程度重量感のある大きなボストンバッグを肩にかけた10代後半くらいの女性2人組が、お揃いで色違いのショルダーバッグを一つずつ手にして、周囲の様子を窺っていたのです。2人の見た目は、タレントのみちょぱさんを意識したギャル系といった感じで、そこそこの不良感が漂っています。まもなくして、よくあるやり方でタグを除去した2人は、各々のボストンバッグにショルダーバッグを隠しました。


(この子たち、かなりの常習ね。ここは、慎重にいかないと)

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