警察の「有罪にしたい病」は治らない? 元女囚が考える冤罪事件
刑事さんがほんまに覚醒剤を入れたかどうかは、本人とお天道様にしかわからへんのですが、瑠美は「やってるな」と思うてます。ここは裁判所と同じですね。それは、警察は「なんとしてでもパクりたい」ちゅうのがあるからです。
医療事故に関係するだいぶ前の事件で濡れ衣を着せられたお医者さんは、取り調べ中に刑事さんに「これだけ社会問題になると、誰かが悪者にならなきゃいけない」と号泣されたそうです。編集者さんから聞きました。
いや泣かないで、ちゃんと犯人を見つけたらええだけですよね。でも、見つけられないと、ほかの人のせいにするんです。
今年の3月31日に「再審無罪1周年」を迎えた西山美香さんの事件もそうでした。2003年5月に、滋賀県内の病院に入院していたお年寄りが亡くなった事件で、お年寄りの人工呼吸器を美香ちゃんが「外した」と自白させられたんですね。
瑠美は、美香ちゃんとは和歌山刑務所で一緒でしたが、報道されているように軽い知的障害があって、集団生活にはなじめない感じでした。
刑事さんはそこにつけ込んで取り調べて、実は「自然死」やったのを美香ちゃんの「殺人事件」にしたんです。美香ちゃんは、なぜか取り調べ担当の刑事さんを好きになっちゃったりして、刑事さんは明らかに美香ちゃんの気持ちをもてあそんだ上に、殺人犯にしたわけです。刑事さん、いろいろ大丈夫なんでしょうかね。
それにしても、名古屋の裁判所といえば名張ぶどう酒事件とか、認知症のおじいさんが電車にはねられたら遺族のせいにするとか、アカン判決が多いイメージですが、たまにはこんな判決もあるんですね。今回は、刑事さんの謎行動も多かったからでしょうか。
冤罪は気をつけようがないですが、もし身に覚えのないことでパクられたら、戦うしかないです。とにかく心がまえだけは持っときましょう。