『ザ・ノンフィクション』日本最高齢ストリッパーとファンたちの日々「私が踊り続けるわけ ~53歳のストリッパー物語~」
日曜昼のドキュメント『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)。2月7日は「私が踊り続けるわけ ~53歳のストリッパー物語~」というテーマで放送された。
あらすじ
星愛美、53歳。年間を通して全国のストリップ劇場を巡業しているストリッパーの中では国内最高齢と言われている。愛美のファンは「星組」と自分たちを呼び、全国の巡業に遠征するだけでなく、愛美の誕生日や周年イベントでは音源を用意したり、劇場の従業員にまで差し入れを用意するなど、「親衛隊」とも呼べるような熱の入れようだ。愛美の踊りについて星組の面々は「何も言えない」「何かある、ただきれいとか踊りが上手とかでない」「なぜか涙が出てくる」と話す。なお、星組には男性だけでなく、亡くなった夫が愛美の大ファンだった人など、女性もいる。
愛美は穏やかで、初舞台がうまくいかず楽屋で泣いている後輩ストリッパーを静かに抱きしめ慰めるなど、面倒見もよい。後輩のストリッパー・浜崎るりは、愛美を「後光がさしている」「魂こもりすぎいてエネルギーがすごい」と語る。そんな今の姿からは想像ができないが、かつての愛美は相当な非行少女で、暴走族に入り、15歳までに2度の中絶をし、なんとか入れた高校も3カ月で退学してしまう。
その後、愛美は歌手になれるといわれ15歳で芸能事務所に入るが、最初に来た仕事はセミヌードのグラビアだった。19歳で結婚するも、妊娠したおなかを夫に蹴られ死産し、21歳で離婚。AV女優として働いたあと、23歳でストリッパーとしてデビューする。その後も信じた人に騙され続け、借金を背負い、水商売、風俗など職を転々とする波乱の人生を送る。
愛美は、当時を「社会に対し落ちこぼれたというか、きっちりとした生きていく土台ができていない。だからどんどん世の中に背を向けるようになってくるのは自分でもわかった」と話す。その後、37歳で子宮がんが発覚。7年の闘病後、45歳でストリッパーとして再出発する。子宮がんの手術をした影響で自力で排尿ができず、カテーテルや消毒液を持参して巡業を行っている。
星組の一人、長崎在住のスーさんは3年前に大腸がんの大手術をしたが、その後全身への転移が発覚。抗がん剤を打ちながら愛美の巡業に足を運び、薬の影響で荒れた手で愛美のステージに大きな手拍子を送る。スーさんの誕生日に、愛美はスーさんにプレゼントとメッセージカードを送る。カードにはなんと書いてあったのか、という番組スタッフの問いかけにスーさんは「教えない」と笑って目尻を拭っていた。
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