「給料が少ない」と偽っていた夫、子どもが生まれてから超クレーマーな本性があらわに!
――彼の子育ての方針は、どのようなものでしたか?
息子に対しては超甘やかします。欲しいというものはなんでも買い与えてたし、自分が保育園に送るぐらいだったら休ませちゃってた。あと気になったのは、夜更かしですね。仕事で自分が帰ってきたときに息子が起きてるっていうのがうれしかったみたいで、息子は毎日夜更かし。それがずっと続きました。それで私が注意したら、「自分が大丈夫なんだから、子どもも大丈夫だろ」って。そうやって夫が夜更かしさせるから、朝、息子が起きられなくて。
――元夫に対して、向こうの両親はどういうふうに接していたんですか?
母親も彼も、お互いの名前を“ちゃん付け”で呼んでいましたね。彼は「お母さん」と呼ばない。母親は息子に家事とかを全然させない。そうやって、彼自身が甘やかされて育ったので、料理にしろ、ほかの家事にしろ、ほとんどしなかった。夜更かしの原因もそう。「寝る時間は人それぞれだから」って言って、義母は夜更かしを容認していました。それを聞いて諦めました。
――とすると、家事・育児は、すべて芽衣子さんが?
洗濯だけは、彼もやってましたね。でも洗濯機に、洗剤を適量の倍も入れるんですよ。お金入れないくせに、浪費だけはするんです。
――芽衣子さんの話しか聞いていないので、余計にそう思うのかもしれませんが、彼のいいところが全然見えてきません。
私のほうは全部オープンだったんだけど、彼のほうは閉じてる。家を建てたとき、そのことを痛感しました。家のガラスを、ほぼ全部すりガラスにしたんです。普通のガラスは3階の部分のみ。外が見えないから、すごく息が詰まりました。でも、彼の実家もそうなんです。なぜそうなったかというと、自分たちの「信仰」を、よそから見られたくなくて、隠していたからかもしれません。
――とすれば、連れ去られたことの直接の原因というのは、その「信仰」に関係しているんですか。
いや、それよりもまず彼と話し合えない状況がずっと続いていたということが問題の背景にあったんです。あとなんといっても、引き金になったのは東日本大震災。あのとき「こいつは人として本当に終わってる!」と思ったんです。
(後編につづく)
(西牟田靖)