コラム
【連載】わが子から引き離された母たち

「給料が少ない」と偽っていた夫、子どもが生まれてから超クレーマーな本性があらわに!

2021/01/29 16:00
西牟田靖

――産前産後の彼の態度はどうでしたか? その時期の態度を引きずる女性は多い気がします。

 確かに、その時期、大いに違和感を覚えた出来事がありました。出産前に私がお金を出して8人乗りのミニバンを新車で買っていたんです。自分たち家族3人だけじゃなくて、双方の家族も乗せる目的で。納車が産後になったんですけど、最初に乗せたのが、私と赤ちゃんが退院して家に帰るときじゃなくて、彼の家族だったんです。

――芽衣子さんが乗る前に、勝手に彼が先に乗っていたということですか?

 退院前に、彼が自分の家族を乗せて、息子が生まれた2〜3日後ぐらいに病院に来たんです。それだけじゃないですよ。出産費用の支払いも、私の自腹だったんです。あれっていったん立て替えた後に、自治体から補填されるでしょ。とはいえ、彼が率先して払ってくれてもいいじゃないですか。そんな感じで、産前産後に、いくつか違和感を覚えたんです。

――どういう違和感ですか?

 出産後、1カ月は、私と息子はすぐ近くの私の実家にいました。なので、彼も家に来るというか、ご飯を食べに来る。

――彼は、率先して子育てをしましたか?

 職場の関係で当時、そんなに早くは帰ってこられなかったので、基本、育児はせず、私の母が作ったご飯を食べに寄り、息子の顔を見て帰るだけでした。だけど、たまに早く来られたときは私の実家だけど、息子をお風呂に入れたり、おむつを替えたりはしていました。

――1カ月後に、3人で住み始めてからはどうでしょう?

 当時、私は自宅にずっといて、大学院の論文を書きながら子育てをしていました。出産当時、別の博物館に転籍していたのですが、産後もそこに籍を残しながら。一方、彼は公務員で役所内で職場異動していました。残業がないときは、帰ってきてから息子をお風呂に入れていました。そして毎週末、彼は息子を見せるため、自分の実家に帰っていました。そこに私もついていきました。

――彼は、そこそこ貢献していたと。

 まあね。ご飯を作れないのはそのままで私任せでしたが、お風呂に入れるとか、オムツ替えとかは全然やってましたよ。

 それより家計が問題でした。私は博物館のポストは3年きりだったので、産後1年とかで収入のアテはなくなるんです。とはいっても、彼は頼れない。「給料が少ない」ということしか言わず、給与明細すら見せてもらえなかったんです。

 家賃(車庫込みで月15万円、3DK)と4万円のみしか入れてくれなかったので、月々、家計がすごく大変でした。離婚裁判で、実際は月に20万円以上、自分の好きなように使っていたとしか思えないようなお給料をもらっていたことがわかったときには愕然としました。

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