サイゾーウーマンコラム『ウチ彼』は北川悦吏子の真骨頂 コラム 佃野デボラのホメゴロシ! これぞ脚本家・北川悦吏子の真骨頂! 『半分、青い。』からさらにパワーアップした『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』をホメゴロス! 2021/01/27 20:30 佃野デボラ(ライター) コラム 年齢と経験を重ねた大シェフ、日記化する作風の妙 《私、新聞を三日分、一度も開かず捨てました、この前。暗に新聞取るのやめたい、と思ってます。》 《私は、恐ろしいものはあまり見られないです。テレビ。ニュースとかでも。》 《次から次へと情報が。流れるプールで溺れ死にしたくないので、ある時から、ショッタアウトするようになった。》(※原文ママ) 今年で還暦を迎える大シェフは、いっさい社会に目を向けていないことを折に触れ吐露している。たいがいの脚本家や作家は、たとえ若い頃に「君と僕、あなたと私の世界」といった内向きの作品を書いていたとしても、年齢と経験を重ねるにつれ、視点と書きたいテーマが外へ、社会へ、マクロへと拡がっていくものだ。年を追うごとにこれだけ作品が私小説化、というか日記化する脚本家は他に類を見ない。 内に向くなら向くで、自己との対峙の結果生まれるものを作品に昇華しているのかと思いきや、大シェフの場合、視点がミクロ化すればするほど脳内がそのまま転写されたような作品内容になるわけで、『半分、青い。』同様、『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』は心理学のテキストとしても非常に有用だ。『ウチ彼』を見ていると、大シェフが何に興味があり、何に無関心か、他者とどう関わり、何を羨望し、何を見下し、どうやって自己肯定感を保持しているかがよくわかる。この険しい時代、多くの脚本家が「見た人が、ひいては世の中が少しでも前向きになる一助となれば」という願いを込めてドラマを作っている中、徹頭徹尾「私がこうされたい! こう見られたい!」を書く脚本家も稀有だ。 しかし、言ってみればこれが大シェフの“作家性”であり、こういったテイストを好む視聴者も少なからずいるのだろう。多様性、多様性。まさしくワン&オンリー、稀代の大シェフの、ますます“気まぐれサラダ”化するドラマ作りに、今後も着目したい。 ※《 》内はTwitterでの北川氏本人の発言。原文ママ。 前のページ1234 佃野デボラ(ライター) ライター。くだらないこと、バカバカしい事象とがっぷり四つに組み、掘り下げ、雑誌やWebに執筆。生涯帰宅部。 最終更新:2021/01/28 18:10 楽天 連続テレビ小説 半分、青い。 完全版 ブルーレイ BOX1【Blu-ray】 今週も気まぐれサラダ楽しみにしております 関連記事 朝ドラ『半分、青い。』脚本家・北川悦吏子の“革命的な表現手法”“トレンディ霊力”をホメゴロス藤原紀香は地球ともタメ口の関係。ノリ姐のブレない“おうち時間”をホメゴロス!ウエンツ瑛士、「高下駄を履かされた自分」からの脱却……ロンドン留学後の活躍をホメゴロス!『M 愛すべき人がいて』浜崎あゆみ役・安斉かれんの“奇跡のような演技力”をホメゴロス!アインシュタインと堀江貴文を敬愛! ジャガー横田と木下博勝医師の息子・大維志、“中2病全開のTwitter”がアツい 次の記事 二宮&草なぎ、日本アカデミー賞共演へ!? >