コラム
【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

皇室を揺るがす衝撃「逮捕劇」! 皇后の女官長、“神のお告げ”に洗脳され……知られざるアウト皇室史

2021/01/23 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

――行事だけお休みして……とはいかないんですね。これまで本当に何もかも順調だったからこそ、退職はいっそう残念だったでしょうね。

堀江 そうなんですよね。島津は教育職に復帰していったのですが、その仕事だけでは立ち直れなかったようです。愛する夫とキャリアを一気に失ってしまったこの時期以降、島津は色々な宗教と接触しはじめます。その中には、怪しげな新興宗教も含まれるようになりました。

 それからしばらくした昭和7(1932)年頃のことです。

 霊媒師・角田つねという、元・助産婦の女性を紹介された島津は、彼女に洗脳されてしまったのでした。「私が三重県にある弁天滝に修行で打たれていると、東京に島津という偉大な女性がいるという神からのお告げがあった」と角田つねに言われた島津は、それをなんと信じてしまいます。

――それまでの人生で栄光の道を歩んでいたから、特別な存在と持ち上げられるとグッと来てしまうのでしょうね。

堀江 しかも「あなたには霊力がある!」といわれ、それも信じてしまうんですね(笑)。角田に島津を紹介した高橋むつ子という女性と3人で、島津は、とある新興宗教の幹部になってしまうのでした。

――女官長から、新興宗教幹部への華麗な転身となるのでしょうか……。次回に続きます!

堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

1977年、大阪府生まれ。作家・歴史エッセイスト。早稲田大学第一文学部フランス文学科卒業。日本・世界を問わず歴史のおもしろさを拾い上げる作風で幅広いファン層をもつ。著書に『偉人の年収』(イースト・プレス)、『眠れなくなるほど怖い世界史』(三笠書房)など。最新刊は『日本史 不適切にもほどがある話』(三笠書房)。

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最終更新:2022/05/25 14:01
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