芸能
『ザ・ノンフィクション』レビュー
『ザ・ノンフィクション』女たちの献身を当然として受け取る”息子“「母さん ごめん ダメ息子の涙 ~六本木キャバクラボーイ物語~」
2020/12/21 17:52
ゆうせいは元野球少年で、母親は大会の日は一日中河川敷で砂まみれになりながらゆうせいを応援していたという。
リトルリーグ所属など、本気の「野球少年」の世界は、保護者も大変だ。泥だらけのユニフォームの洗濯、炎天下で行われる試合の応援や送迎などのサポートと苦労も多いが、ゆうせいの母親はそれが楽しかったのだろう。実家のゆうせいの部屋には、ボロボロになった野球帽が大切に保管されていた。
こうした保護者の献身も、野球少年にしてみれば、「通常運転」なのだろう。保護者(実質的には母親)が、早起きして自分のために弁当を用意し、炎天下の中自分の試合をかいがいしく応援し、自分が汚したユニフォームを洗濯するのは当たり前だと思っている。
「母親のサポートはとてもありがたいことだ」と感謝の心を忘れない野球少年のほうが多いと信じたいが、中には「母親(=女性)はかいがいしく自分の世話をみてくれるものだ」と勘違いしたまま育つ野球少年も出てきてしまうように思う。
母親側も、白球を追いかける息子がかわいいあまり、面倒を見すぎてしまうケースもあるだろう。そして、その果てが、ゆうせい親子に思えた。仲の良い母親と息子という関係の中で困っている分には自由だが、こういう男と結婚する「妻」は大変だ。
次週は『「おじさん、ありがとう」~熱血和尚が遺したもの~』。熱血和尚と傷ついた子どもたちの触れ合いを追い続けた11年間の映像記録。今作は民放連賞・テレビ教養部門最優秀賞、ATP賞グランプリなど国内外で数々の放送賞を受賞している。
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最終更新:2020/12/21 17:52