コラム
仁科友里「女のための有名人深読み週報」

YouTuber・フワちゃん、バイトの先輩に逆ギレ! 「怒られなくなった若者」は生きにくくないのか?

2020/12/17 21:00
仁科友里(ライター)

 しかし、番組放送後、SNSで反響を調べてみると「勉強になる」という意見もちらほら見られた。怒られたときに傷つかない方法を求めている人がそれだけ多いということかもしれないが、それでは誰かに怒られたとき、それが正当な怒りなのか、もしくは相手の性格的な問題で八つ当たりされているかを見極めるため、こんな方法を試してみたらどうだろうか。

 それは「同じことを自分がやられたら、どう思うか」を想像することだ。

 フワちゃんは、『マツコ会議』(日本テレビ系)にリモート出演していたが、番組中に宅配ピザを食べていた。テレビに出ているのに、自宅のリビング気分でピザを食べるあたりが、視聴者のおかしさを誘うと計算したのだろう。番組中、ずっと食べ続けるため、念のためピザを2枚も取ったとフワちゃんは明かしていたが、もしこのピザがフワちゃんのもとに届く前に、デリバリーのスタッフにあらかた食べられていたらどう思うのか。注文した品が完璧な状態で届かないこと自体信じがたいミスだし、加えてフワちゃんが綿密に準備していたパフォーマンスができなくなってしまうが、それでイラッとしないのか。もし、デリバリーのスタッフにイラッとするのなら、居酒屋の先輩がフワちゃんを怒ったことも「当然のこと」として受け止めなくてはならないはずだ。

 また、フワちゃんといえば、テレビに出ている途中に、自撮り棒を使って自撮りをすることがよくあり、それが一種のフワちゃんらしさでもあるが、この自撮り棒をスタッフがどこかに持って行ってしまって見当たらなかったら、困らないだろうか。日頃、飲みに行くなど良好な関係を築いているスタッフに、「決まりを守ってほしい」という意味でそれを指摘したときに「気分屋」とか「毎日キレるポイントが違う」と言われて、「その通りだ、自分が悪い」と思えるのか。

 自分の機嫌が悪い時に、自分より立場の弱い人に当たり散らすタイプも実在するので、そういう人の言うことを全部真に受ける必要はない。しかし、正しい指摘をスルーするのもよろしくない。同じことを何度も注意されると、「話を聞いていない」と受け取られ、目上の人との関係性も悪くなるし、何度も怒られたら傷つくことになるからだ。

 フワちゃんを見ていると、自分が他人にするのはOKだけど、他人に同じことをされたら許さないという被害者のフリをした加害者になっていないかということを思わされる。自分は理不尽に怒られがちだと思う人は、一度考えてみてもいいかもしれない。

仁科友里(ライター)

1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

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最終更新:2020/12/17 21:00
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