コラム
仁科友里「女のための有名人深読み週報」

YouTuber・フワちゃん、バイトの先輩に逆ギレ! 「怒られなくなった若者」は生きにくくないのか?

2020/12/17 21:00
仁科友里(ライター)

 具体例を挙げると、フワちゃんは大学時代に居酒屋でバイトしていたそうだが、男性の先輩に「NEWヘアスタイル超可愛いね」「私のオススメのヘアピン、絶対つけたら超かわいいと思うよ」とため口で外見をイジっていたとのこと。しかし先輩は髪を切っておらず、後輩にタメ口をきかれていい気分がしなかったようで、「いい加減にしろよ」「俺はいいけど、ほかの人だったら、マジギレされるよ」と怒ってきたという。フワちゃんは、この「俺はいいけど」と断る人を「タイプ1」に分類し、「『俺はいいけど』と言われても『うのみにするな、フツウにキレてるぞ』『謝ってすぐ行為をやめよう』」と、対処法を説いていた。まるで「先輩には騙されないぞ」とばかりの言い分だが、最初から先輩を怒らせるような行為を取らなければいいのではないだろうか。

 また、バイトの最中、客に出す料理を運ぶ間に、フワちゃんは何度もつまみ食いをしてしまい、その度に先輩から怒られていたそうだ。「そういえばお前さ、先月もお客さんが飲みものこぼした時さ……」と過去のことを蒸し返してグチグチ怒られることもあったといい、フワちゃんはそういった先輩を「タイプ2」に分類。対処法としては「先輩が穏やかなときに、あらかじめやらかしたことを、謝りに行くしかない」とし、先輩の機嫌が悪くないときに「あまりにもおいしそうなので、さっき1個つまんじゃいました。本当にごめんなさい」と自ら謝罪すると話していた。つまみ食いをやめようという発想にならないのが不思議である。

 このほかにもフワちゃんは、バイトの後、飲みに行く約束をするほど仲のいい先輩に、「所定の場所にハンディ(注文を受けるための携帯型端末)を置かなかったこと」を怒られたという事例を紹介。この先輩を「タイプ3」とし、「気分屋激ギレタイプ」「マジでその日にキレるポイントが違うから、怒られるか怒られないかは運」と指摘、その対処法を「先輩が見ていないときに、アッカンベーをする」としていたが、これこそ逆ギレではないだろうか。所定の場所に所定のものを置くのは決まりだし、仕事に必要なものがなければ、自分以外の誰かが困る。私には先輩は「気分屋」でなく、正当な注意をしているように思えた。

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