1億7700万円をだまし取った「62歳の聖子ちゃん」、山辺節子の男と金と詐欺人生【熊本:つなぎ融資の女王】
「『興信所をつけて、あなたがこの案件に参加するのに相応しいか審査させてもらう』と言われて3カ月間放置されたうえに、話し合いの場は豪華な自宅。おまけに『絶対、口外しないように』というので、完全に本物だと信じ込んでしまった。仮に詐欺師なら自宅に呼ばないし、私の周囲にお金を持った人間がいると信じれば『金持ちを紹介しろ』と言ってくるでしょう。そんな思い込みを逆手に取られてしまいました」
総工費1億円とも言われる「姫御殿」の床は全て大理石。高級そうな調度品も、羽振りの良さを物語っていたという。車庫にあった車は2000万円相当のベンツCLSクラスのAMGと、普段使いのスポーツカー・フェアレディZ。女性のお手伝いさんが複数いたという。さらに、その自宅以上に豪華なエレベーター付きの別荘にも招待されたことで、この男性は節子を信じて“出資”を決める。
ところが、こうして巻き上げられたお金の大半は、節子の“金満生活”に費やされていた可能性が高い。逮捕直前に滞在していたタイのホストだけでなく、フィリピンのホストにも入れ込んでいた。「毎月2500万〜3000万円をフィリピンに持って行っている」と自ら被害者に話していたように、ホストに高級コンドミニアムだけでなくポルシェ・ボクスターまで買い与え、さらにはホストの家族の生活費の面倒まで見ていたという。節子はその男性に男とのツーショット写真を見せながら、そんな自慢をしていたのだそうだ。
逮捕当初、この「つなぎ融資」名目で金をだまし取られた被害者は全国各地に存在し、被害総額は7億円を超えるともいわれていたが、最終的に節子は1億7700万円をだまし取ったという詐欺罪で熊本地検に起訴され、強制送還からちょうど1年後の17年4月19日、熊本地裁で懲役7年の判決が言い渡された(求刑懲役10年)。控訴せず、刑は確定している。