仁科友里「女のための有名人深読み週報」

金子恵美は、なぜ宮崎謙介と離婚しないのか? 4年ぶり二度目の不倫を許した“政治的判断”

2020/12/03 21:00
仁科友里(ライター)
『許すチカラ』(集英社)

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「政治家の癖かもしれないですが」金子恵美
『斉藤一美 ニュースワイドSAKIDORI!』(文化放送、11月30日)

 ニュースサイト「文春オンライン」が報じた元衆議院議員・宮崎謙介の「4年ぶり二度目の不倫」。驚いた方もいるとは思うが、私にはそれほど意外なことではなかった。若い女性は浮気性の男性に対し、「自分を愛しているのなら、改心して真人間になってくれる」「私の愛で、相手を変えて見せる」と張り切ることがあるが、大変残念なことに、人の悪癖というのは、そう簡単には治らないと私は思う。

 宮崎は結婚を2回している。最初の妻は衆議院議員・加藤鮎子、二番目の妻が元衆議院議員の金子恵美である。ウェブサイト「女性自身」2016年4月12日付の記事によると、加藤と金子は政界の「女子会仲間」で、金子が宮崎との結婚について相談すると「女癖の悪さで私も別れたんだから、あの男だけはやめときなよ! 女癖と高飛車な態度は絶対に治らない。恵美ちゃんはわかってない!」と猛反対されたそうである。鮎子センセイ、それじゃ、あなたはなぜ結婚したの? とお聞きしたい気分に駆られるが、それでも再婚に至ったのは、宮崎には浮気性という欠点をもしのぐ、何かいいところがある男性なのではないだろうか。

 金子と再婚した宮崎は、金子の妊娠中に育児休暇を取ると宣言し、“イクメン議員”として知名度を上げるが、「週刊文春」(文藝春秋)に元グラビアアイドルとの不倫を撮られてしまう。宮崎が週刊誌に自分の不倫が出ることを打ち明けたのは、金子が初産を果たした日だったという。


 不倫が明るみに出たことで、宮崎は議員を辞職。金子も衆議院選所に出馬するが、落選してしまう。政界から追い出された形になった2人だが、宮崎が育児をメインになって行い、いいパパぶりをバラエティー番組で披露し、時に夫婦で番組に出演するようになって4年。だんだんと不倫のイメージも薄れ、宮崎は現在、『バラいろダンディ』(TOKYO MX)で金曜日の司会を務めている。今年10月10日放送の『せやねん!』(MBS)にリモート出演した金子によると、夫婦ともども収入が議員時代を超え、別荘を購入したそうで、順風満帆。同月に発売したエッセイ『許すチカラ』(集英社)では、不倫騒動の顛末と夫を許した理由をつづり、同書で「私はこう宣言したい。『許すチカラ』で、私は幸せになれた」と力強く語っているが、11月27日、「文春オンライン」に宮崎の不倫を暴かれてしまった。相手の女性は、30代の医療従事者だそうだ。

 夫に不倫をされてうれしい妻はいないだろうが、金子の場合、夫婦揃ってテレビでタレント活動をしているので、両者のイメージ低下が避けられず、そこから仕事を失い、経済的なダメージを背負う可能性もある。また、「(夫を)許して幸せになれた」と書いたそばから、夫に不倫された金子は赤っ恥もいいところで、書籍のセールスにも影響が出てくるかもしれない。ほかのキー局と違って、TOKYO MXは「不祥事を起こしたら、即降板」という方針ではないらしく、宮崎も司会者として続投しているが、「危機を乗り越えた夫婦」「円満な夫婦」としてオファーが来ていた他局の仕事は、キャンセルされても文句は言えないだろう。

 一度だけならまだしも、二度も夫に足を引っ張られた金子だが、今回も離婚を考えていないという。『バラいろダンディ』に出演したフリーアナウンサー・大島由香里は、フィギュアスケーター・小塚崇彦選手と離婚しており、金子と同じく一児の母である。「週刊文春」によると、大島の離婚理由は、夫のモラハラと夜遊びだったそうだ。夫に迷惑をかけられたという意味では、大島と金子は似ており、それなのに離婚しない金子が、大島には理解できない様子で、「はっきり言って、今回生理的に宮崎さん無理って思っちゃった」と、ヨソ様の夫に対して、手厳しい発言をしていた。

許すチカラ