サイゾーウーマンコラム知られざる女子刑務所ライフ「慰問のプロ」杉良太郎とATSUSHIのオススメ本 コラム 知られざる女子刑務所ライフ103 ムショでの読書は「親鸞」が人気!? 「慰問のプロ」杉良太郎とATSUSHIのオススメ本を、元女囚がジャッジ 2020/11/01 16:00 中野瑠美改め瑠壬(作家) 知られざる女子刑務所ライフ 胸に迫る「依存症を生きる人たち」の本 今はシャバで好きな本を読めるんで、読む時間は取れなくても、なるべく買うようにしています。清原和博さんの『清原和博 告白』と『薬物依存症』(共に文藝春秋)は発売日に買ってソッコー読ませていただきましたし、実はビジネス書も読みますよ。 薬物依存で苦しんでいらっしゃる方は多いし、そういう方の本を買うだけでも応援になりますしね。そこで、この連載のために(笑)、高知東生さんの『生き直す 私は一人ではない』(青志社)を読ませてもらいました。クスリ(違法薬物)との戦いもですが、「自分は地元の親分の隠し子」と思うてたのに違うてて、実は子分さんの子やった……とか、かなーり壮絶な人生が書かれてて、読み応えがありました。 高知さんは、依存症と戦う仲間と出会えて、支え合ってこれたのもよかったんですね。これも何回も書いてますが、依存症は毎日が戦いです。毎日、「今日もクスリをせんとこ」「今日もせんとこ」と思って、それを積み重ねていくんです。まず3年、そして10年がんばれれば大丈夫と思いたいですが、これが一生続くんですよ。 ひとりやとザセツすることもありますから、仲間を作るのもアリです。清原さんもいろんな人に支えられて、ここまでこられているんでしょうね。 今の瑠美は、どんなにツラいことがあっても絶対クスリに頼らない自信がありますが、だいぶ前はツラい時に「もうまたシャブいってまおかな」と思ったこともあるんですよ。そうゆうところを乗り越えてこられたんで、ツラい人を支えたらなあかんと、いつも思っています。 でもね、結局クスリをやめるための「やる気スイッチ」は、自分で押すしかないです。瑠美もそれに気づくのにだいぶ時間がかかりましたが、今は大丈夫です。「もうツラい思いをしたくない」「またクスリやってるって、バカにされたくない」「読者さんや編集者さんを裏切りたくない」ゆう気持ちのほうが強いんです。ここまでいくのは大変ですが、私ができたんやから、みんなもいけると思いますよ。 もう1冊、依存症に関する情報を発信するなど高知さんとも活動している田中紀子さんの『祖父・父・夫が ギャンブル依存症! 三代目ギャン妻の物語』(高文研)も買うてみたので、読んだら感想を書きますね。田中さんは、なんと祖父・父・夫、そして自分もギャンブル依存症ちゅう自称「どん底評論家」さんやそうです。でもYouTubeを見ると、明るい感じですよ。 いろんな方がいてるもんですね。瑠美もがんばろうと、マジで思いました。 前のページ12 中野瑠美改め瑠壬(作家) 1972年大阪・堺市生まれ。覚せい剤取締法違反で4回逮捕され、合計12年の懲役を経験。出所後は、刑事収容施設への差し入れ代行業や収容者と家族の相談窓口などを行う。現在は堺市内で「Night Space祭」を経営。著書『女子刑務所ライフ』(イースト・プレス)がある。 記事一覧 Instagram:@rumichibi1209 瑠壬公式YouTube 最終更新:2020/11/01 16:00 楽天 セブンネット 女子刑務所ライフ! やめられる人もいれば、やめられない人もいる。それがクスリ…… 関連記事 刑務所が3密すぎて裁判に! 元女囚が考える、獄中のコロナ問題と刑務作業「刑務所に何度も入る人を減らすには、どうすれば?」元女囚・中野瑠美が読者の質問に答えてみましたコロナ禍で大麻樹脂等は3割増、シャブは8割減! 元ポン中が語る「違法薬物取締事情」小向美奈子がムショでいじめられなかったワケ! 元女囚が明かす「獄中でつらかったアレ」ラリって目玉をくり抜いたり、ビルから落ちたり……元ポン中が教えるクスリによる幻聴 次の記事 1万円台から買える「極上の炊飯器」ベスト5! 米飯管理技能士&家電のプロが実食でセレクト【日立・タイガー・リデ ポット・アイリスオーヤマ】 >