10万円の入場券、55万円のカラオケ大会……“金”が飛び交うスピリチュアルイベント「シンデレラ・プロジェクト」潜入レポ
そして、「シンデレラ・プロジェクト」最大の見どころが、2日目の終盤に登場した、子宮系女子の開祖である元・子宮委員長の八木さや。派手な白いドレスをまとい、自身をイメージしたオリジナルの民謡(?)を低い声で歌い上げました。happyもピンクのドレスに着替えて登場し、2人で歌いながら見つめ合って涙ぐむと、客席も涙、涙(なんで……?)。歌い終わると、2人は「やばかったね! ぶわーってなった!」などと、キャッキャと大はしゃぎしていました。
今年8月に離婚を発表した八木さやは、愛人とも死別、前々夫には縁を切られたとのこと。しかし、このイベントで前々夫が育てている自身の子どもと再会を果たしたのです。客席から元気に手を振る6歳の息子さんがスクリーンに映ると、会場は大盛り上がり。その流れで、「重大発表があるんです」とhappyが切りだし、八木さやは「壱岐島の男性と入籍に向けて準備を進めている」と公表。つまり、実子が見つめるステージ上で、再婚の話を堂々としたわけです。happyと八木さやは「『シンデレラ・プロジェクト』のたびに結婚と離婚を繰り返している」などと言って笑い、客席も大歓声。2日間を通して最も盛り上がった場面でしたが、私には理解しがたい世界としか言いようがありません。
happyと八木さやのトークでは、お互い「相当嫌われている」などと言いつつ、「風当たりが強くなるほど丈夫な窓ができる」(happy)「守ってくれる人たちも分厚くなってくれる。それを経験してほしい」(八木)などと、持論を展開。自身に批判が飛んでいることを自覚した上で、会場に来たファンに向けて「守ってほしい」と呼びかけているだけでは? と感じざるを得ません。そこはもう、立派な自己啓発セミナーでした。
潜入取材でわかった、「シンデレラ・プロジェクト」の目的
ちなみに、今回のイベントで一番カオスだったのは、2日目のフィナーレ。全出演者がステージに登場し、なぜか槇原敬之の「僕が一番欲しかったもの」(2004年)を大合唱。その後、激しい曲調の洋楽が流れ始めたかと思うと、数百人がぎゅうぎゅう詰めでランウェイに立って激しく踊ったり、抱擁をしたりと大忙しで、興奮したアリーナ席の客も手を伸ばし、自撮りをし、叫びながら踊り……。happyは「世界一元気な場所じゃないですか!」なんてご満悦でしたが、そこはただの「密」な場所でしかありません。幕張メッセ側の感染予防対策が、最後の最後ですべてムダに。悪いのは当然、この演出でゴーサインを出した主宰者・happyです。
このフィナーレで、happyは締めの言葉として、観客や裏方スタッフに感謝を述べつつ、「最後まで走り抜けた自分にありがとうを言いたい」とコメント。やはり、「シンデレラ・プロジェクト」はhappyが主役となった、「信者ビジネスの祭典」でしかありませんでした。この感想が、私から消えることは一生ないでしょう。