芸能
徳重みたいに笑えない事例多数

「ジュノンボーイ」「21世紀の石原裕次郎」も“死体役”の末路――イケメン俳優たちの知られざる現在

2020/09/17 10:00
後藤壮亮

 

 テレビや雑誌やネットで、毎日のように目にする「イケメン俳優」という肩書。現在では、横浜流星や吉沢亮などがその筆頭にあるとされるが、もちろん彼ら以外にも数えられないほどのイケメン俳優が存在する。

 連続ドラマ主演、胸キュン映画主演といった花形ポジションはごくわずかで、それだけに戦いも熾烈だ。では、イケメン役からあぶれた彼らは、なにをしているのか? 先日、そのことを示す“象徴的”な番組があったという。

「9月10日放送の『未解決の女 警視庁文書捜査官』(テレビ朝日系)第6話は、輝かしい将来を確約されたはずのイケメンが大挙して登場しました。まずは、“死体役”だった武田航平。彼は2001年、第14回『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』審査員特別賞の受賞を機に芸能界デビュー。08年の『仮面ライダーキバ』(同)、さらには17年には『仮面ライダービルド』(同)にも登場し、イケメン俳優の黄金ルートを歩んでいたんです」(放送作家)

 そんな武田は劇中、イタリアンレストランのオーナー・入沢博人役として登場するも、出てきて2分で冷凍室で凍死。結束バンドで手足を縛られ、パンツ一丁での無残な死となった。さらに、悲劇な結末を迎えたのは彼だけではなかった。

「この後さらに、仮想通貨の取引で利益を上げていたネット長者・西松文也が風呂場で溺死体となって発見されました。またしても、結束バンドで縛られた状態です。この溺死体は、渡辺邦斗が演じていました」(同)

 「渡辺邦斗」のもともとの芸名は渡邉邦門。00年、石原プロモーションの新人オーディション「21世紀の石原裕次郎を探せ!」で、応募総数5万人の中から準グランプリに選ばれ芸能界入りした。02年には、同オーディションのスポンサーであった大塚製薬の「オロナミンC」CMに同グランプリ獲得の徳重聡らと出演している。

「NHKの朝ドラ『どんど晴れ』でヒロインに思いを寄せる南部鉄器の職人といえば、ピンとくる人も多いでしょう。08年には長嶋一茂製作・主演の『ポストマン』で映画デビューを果たすなど、石原プロの未来を担う一人になっていたはずですが、その後、事務所を移籍。17年、『ウルトラマンジード』(テレビ東京系)で、ジードの創造者であり著名な小説家に扮した宇宙人の悪役を演じています」(同)

 また、西松殺しの重要参考人・加川啓介として同作に出ていたのが、村上幸平。彼もまた、1994年の「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で審査員特別賞を受賞し、芸能界デビュー。2003年、『仮面ライダー555』(テレビ朝日系)で脚光を浴びた1人だ。

「『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』出身者でいうと、12年にグランプリを受賞し、『仮面ライダービルド』(同)で主人公を演じた犬飼貴丈は順調なほう。今夏公開された映画『ぐらんぶる』で竜星涼とダブル主演を務めて、イケメン俳優として足場も固まってきました。しかし、そんな彼も下積み時代は事務所で電話番をしていたといいます。イケメン俳優の過剰供給状態の現在では、たとえ死体役でも生き残っているということ自体が奇跡かもしれませんね」(同)

 イケメン俳優という肩書を手にしても、全員等しく大スターになれるわけではない。芸能プロダクションも、安易にイケメン路線を使わずに育てたほうが良いのかもしれない。
(後藤壮亮)

最終更新:2020/09/17 10:00
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