コラム
「元極妻」芳子姐さんのつぶやき88

「ヤクザでも誰でも等しく人権はある」元極妻が考える工藤會の“死刑判決”

2020/09/13 16:00
待田芳子(作家)
横浜刑務所(法務省ウェブサイトより)

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

6年間の接見禁止が解除

 勾留中の工藤會の親分衆の接見禁止が、6年もたってようやく解除されたことがニュースになりましたね。6年間ずっと独房で、弁護人さん、刑務官としか話せなかったんですよ。すごくないですか?

 報道などによると、五代目工藤會(北九州)の野村悟総裁と田上不美夫会長は、殺人や組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)などの罪で起訴されていて、お2人とも否認しています。9月3日に被告人質問が終わり、証拠調べがぜんぶ終わったので、「罪証隠滅のおそれ」がなくなったので接見禁止も解除ということのようです。もちろんそれはタテマエで、単なるイヤガラセでしょうね。

 6年もの接見禁止は、いろんな意味で問題だと思いますが、そもそも被告人ですから「無罪推定」の原則があります。

 弁護士さんのサイトなどを見ても、接見禁止は、普通は起訴されたら、あるいは初公判が始まったら解除されますし、その後も続くのは「否認して罪証隠滅のおそれがある」とされた場合のようですよ。私の周囲でもそうでした。

 6年は聞いたことがないですね。もっとも工藤會については警察庁が力を入れているので、「刑が確定するまで接見禁止」とのうわさもありましたけど。

 野村総裁と田上会長の求刑は来年1月で、おそらく死刑が求刑されるとみられています。過去には「現役ヤクザのトップの死刑」はなかったので、警察庁はやる気満々らしいです。とはいえ、お2人とも高齢なので、実際には執行はされないともいわれています。要するに「死刑判決」という事実があればいいのでしょう。

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