心屋仁之助氏の本で「結婚できた」と激推し! 紺野ぶるまに見る、スピリチュアル好きの思考回路
占いが好きな人は「未来を恐れる人」だと言えるかもしれない、と前回の本連載で書いた。将来いいことが起きるかもしれないと期待して、もしくは今はいいけれど、この先に悪いことが起きるかもと不安になり、つい占い師のもとへ足を運んでしまうのではないかと思うのだが、スピリチュアル好きが恐れているのは、「お前が悪い」と言われることではないか。
江原氏の著作を読んだり、『オーラの泉』(テレビ朝日系)を見ていると、「全ては必然」「魂の学び」という言葉が頻発し、「お前が悪い」とは言われない。病気や事件・事故、天災に巻き込まれるなど、この世の苦しみには理不尽なものが多いので、「この世の出来事は、お前が悪いのではなく、起こるべくして起こる」「魂を成長させるために、痛みを経験している」というスピリチュアリストの言葉に救われる人は多いだろう。が、実際には明らかに自分に非があるのに「おまえが悪い」と言われることを恐れて、見ないふりをする、“逃げ”のスピリチュル愛好家も数多くいるのではないだろうか。
紺野は居酒屋で「一目ぼれしたんで、結婚してください」と声をかけてきた男性と交際、結婚したと明かしていたが、「結婚できる本」として、ジェーン・スー氏の『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ社)を挙げていた。同書はスピリチュアル本ではないが、「これを読んでいなかったら、結婚してない」と心屋の本と並べて推す紺野を見ていると、スピリチュアルにハマッる愛好家のように見えてしまう。しかし、紺野がいくら同書を効果的だと言っても、ブライダル業界に「男性が女性に一目ぼれした場合、結婚率は高く、離婚率が低い」という統計があるのをご存じだろうか。紺野の結婚は、この統計に基づく法則にあてはまるわけだ。もちろん読書も効果があったと思うが、成功(や失敗)の原因は一つではなく、いくつもの要因が重なってなされるのではないだろうか。どうか、スピリチュアルなど“何か一つ”に頼りすぎることなく、紺野には今後も芸能活動に励んでいただきたい。