トランプ大統領を「殺人鬼」と断罪! 「新型コロナで家族を亡くした」シャロン・ストーンの政治家批判に賛否両論
コロナ禍でマスク着用の重要性を訴え続けてきた女優シャロン・ストーンが、祖母やゴッドマザー(女性後見人)を新型コロナウイルス(以下、コロナ)で亡くしたことを告白。加えて、トランプ大統領をはじめとする政治家批判を繰り返し、ネット上で話題となっている。
シャロンは現地時間8月15日、インスタグラムで妹ケリーがコロナに感染し、入院したことを公表。その翌日、いくつもの星条旗の絵文字と共に、「生きるために投票を」との一言を添えて3分35秒の動画を投稿し、コロナ感染拡大がいかに深刻なものかを訴えた。
動画はシャロンが深呼吸しながら「『思いやりと誠実さ VS 政治と利欲』について話をしたい」と語り始めるところからスタート。まず、全身性エリテマトーデスという自己免疫疾患を患う実妹と、彼女の夫ブルースがコロナ病棟で闘病中だと告白。夫妻はコロナ禍でほとんど外出していなかったといい、「なぜ彼らが家にこもっていたか? モンタナ州では症状がなければ検査してくれないから。受けても結果が出るまでに5日かかるのです」「感染した妹夫婦と接触した人たちも、検査を受けることができません。例えばここ5カ月間で2度の心臓発作を起こし、5本のステント(人体の管状の部分を管腔内部から広げる医療機器)とペースメーカーをつけた私の母親も、濃厚接触者なのに『無症状だから』と検査を受けさせてもらえないのです」と、現状を訴えた。
検査能力の低さに加え、「裁判所の周りで銃を片手に『マスクをつけない権利』を声高に主張していた」マスク不着用者たちのせいで妹夫婦がコロナに感染し、医療従事者たちもストレスや極度の疲労を強いられていると強い口調で述べ、「これが、私の電話に折り返し連絡をくれないスティーブ・ブロック州知事がいる、モンタナ州の現実です。州の保健所も、何度電話をかけても、すぐに切られてしまう」と批判した。
そして、「『リスクは小さい。感染しても死なない可能性だってある。大丈夫』と言っているけれども」と一部の政治家たちを非難しつつ、自分は祖母とゴッドマザーをコロナで亡くしたと告白。「(ハイリスクな)妹と、その夫を助けてくれる人もいなかった。訪問看護師もいなかった。これも『検査ができないから』が理由です」と言い放った。
さらに、「受けたい人は検査を受けられる」と言い続けてきたトランプ大統領をウソつきだと断罪。「州知事のもとで働く人たち、保健所で働く人たちは、もはや降参状態。だから電話に出ないし、途中で切るし、折り返してくれない」と、このままだと犠牲者は増え続ける一方だという持論を展開した。
最後に、「この状態を唯一変えられる手段は、投票すること。(ジョー・)バイデン(大統領候補)やカマラ・ハリス(副大統領候補)に投票すること」「その理由は、女性には家族を守る力があるから。生きたい人、検査を受けたい人のために闘うから。なぜなら、女性がリーダーの国だけが、コロナ対策に成功しているから」と訴え、「お願いだから投票に行ってください。そして、お願いだから絶対に殺人鬼には票を投じないでください」と懇願した。
シャロンの言う「女性リーダー」とは、台湾の蔡英文総統、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相、そして欧州の中ではコロナ対策に成功したと評価されているドイツのアンゲラ・メルケル首相を指しているとみられる。
コロナで大切な人を亡くしたというシャロンの告白に、ネット上では「悲しすぎる」と多くの同情が寄せられている。マスク着用の重要性に加え、検査能力の低さ、保健所への不満、コロナ感染防止対策があまりにひどいモンタナ州知事への怒りを炸裂させ、最近までマスク着用をかたくなに拒否したトランプ大統領を殺人鬼呼ばわりしたことに関しても、ネット上では賛同を集め、動画を拡散する動きが広まっている。
中には「コロナ感染対策を完璧にこなせる人なんて、そうそういない。女性のリーダーが……とか言うけど、その取り巻きも有能だったからなのに」「なんでもウーマンパワーと主張するのは、ちょっと……」「セレブの『民主党に投票しましょう!』って押し付け、もううんざり」といった声も上がっているが、強気な性格のシャロンはこれからも「コロナ感染拡大を終息させるために」と、バイデンとハリスに投票するよう呼びかけ続けるだろう。
シャロンの妹夫婦の1日も早い回復、そして、シャロン自身も感染しないことを祈るのみである。