コラム
仁科友里「女のための有名人深読み週報」

『有吉反省会』本仮屋リイナのエピソードに、占いが好きな人ほど「実は占い師を信じていない」説が浮上したワケ

2020/08/13 21:00
仁科友里(ライター)

 占い好きの人には「あるある」なのかもしれないが、ここに三つめの“占いが好きな人の特徴”が含まれているのではないだろうか。

 本仮屋は「なんでもかんでも占いで決めないと気が済まない」と言っているが、名古屋の占い師の「運命の相手だ」という言葉を無視し、“浮気”をして京都の占い師のところに出かけている。また、京都の占い師の言うことは確かにうさん臭いが、だからといって、占いそのものに対する信頼度が下がったわけでもなさそうだ。これらのエピソードから考えると、本仮屋をはじめとして占いが好きな人は、案外占い師を信じていない(だから、違う占い師のところに行く)し、占い師の話自体も、特に真面目に聞いていないと言えるだろう。

 このエピソードを聞いた有吉は、「自分がほしい答えを待つのね」と言っていたが、まさにその通りで、占い好きの人は「自分の言ってほしいことを、何も言わないのに相手が言ってくれること」を望んでいるのではないだろうか。だとすると、割と独善的で人の話に耳を傾けないか、「自分が正しい」という思いが強いタイプに感じられる。

 本仮屋は占いのほかに、「病気やケガも薬に頼らないで治したい」という思いから、「子どもが鼻づまりの時は母乳をさす」という話をしていた。「本仮屋リイナさんの見解です。療法は医師の指示に従ってください」とテロップが出ていたが、テレビという誰が見るかわからない媒体で、健康被害が起きるリスクも考えずに発言してしまうのも、本仮屋が「自分は正しい」と信じて疑わないタイプであることを示しているように感じられる。

 ちなみに、私の周囲の占い好きに、不幸な人はいないが、すごく幸せそうでもない。なぜなら、本当の不幸がやってくると、占いにハマっている暇はないし、幸せならそもそも占いは必要ないからだろう。まあまあ幸福で、ほどほど不満。占いにハマっている本仮屋も、おおむね幸福なのではないか。人の話をあまり聞かないタイプなので、占い師のいいなりになるようなことはなさそうだが、カネを使いすぎて家族に愛想を尽かされないように注意したほうがいいのかもしれない。

仁科友里(ライター)

1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

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最終更新:2020/08/13 21:00
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