『有吉反省会』本仮屋リイナのエピソードに、占いが好きな人ほど「実は占い師を信じていない」説が浮上したワケ
羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。
<今回の有名人>
「なんでもかんでも占いで決めないと気が済まないことを反省しにまいりました」本仮屋リイナ
『有吉反省会』(日本テレビ系、8月8日)
占いを信じすぎてしまう、という人は、2種類いるのではないだろうかと思っていた。
まず一つめは、いいことを言われたい人。占い師に「〇年後にいいことがある」と言われることで、将来に希望が持て、前向きになれる。だから、占い師のもとに何度も足を運ぶ。当然、それ相応のカネを占い師に貢ぐことになるが、明日の活力がカネで買えるというのなら、「アリ」なのかもしれない。
二つめは、不安感の強い人。占い師に「〇年後に悪いことがある」と言われると、今がどんなに充実していても不安でたまらなくなり、それを避けるために占い師のもとに日参してしまう。
不安というのは財布の紐をゆるませる力があるそうだ。広告業界に「恐怖マーケティング」という言葉があるのをご存じだろうか。例えば洗剤などのCMで「目に見えない雑菌がこんなにいる」といった感じに、菌がうごめく映像を見たことがある人は多いと思うが、こうやって不安を煽ることで、消費を促すことを「恐怖マーケティング」と言う。YouTubeで流れる広告動画で、「太ったら、彼氏に浮気された」「ムダ毛のせいで、彼氏にフラれた」というように、「努力を怠ると、悪いことが起きる」とでも言いたげな内容のものをよく目にするが、これも一種の「恐怖マーケティング」と言えるのではないだろうか。何を信じようと個人の自由ではあるものの、不安に取り憑かれると、際限なく占い師に貢ぎかねないので、ある程度注意が必要と言える。
このように、「いいことを言われたい」もしくは「不安感が強い」というタイプの人が、占いにハマり、多額のカネを使っているのだと私は思ってきた。しかし、8月8日放送の『有吉反省会』(日本テレビ系)に、フリーアナウンサー・本仮屋リイナが、「なんでもかんでも占いで決めないと気が済まないことを反省」するために出演した回を見て、考えを新たにした。占いにはまる人には、もう一つ特徴があるのではないだろうか。
同番組司会の有吉弘行は「占いが一番嫌いです、この世の中で」というくらいの占い嫌い。それに対し、本仮屋は「生活の全て」を占いで決めているという。例えば、お昼ご飯に餃子を食べていいのか、前髪を切っていいのか、お高いパジャマを買っていいのかを、占い用オラクルカードに尋ねる。これらの質問に“正答”はないので好きにすればいいが、結婚のように、ある程度の覚悟や決断を必要とする事柄も、占い師を頼ってきたという。
本仮屋はかつて名古屋の占い師の元を訪れ、「今すぐ結婚したいんですけど、(今の)彼は運命の相手ですか?」と尋ねたところ、占い師に「運命の相手で、結婚はできるけど、今じゃないと思う」と言われてしまった。「今すぐ結婚したい」本仮屋は納得がいかず、京都に「当たる」と評判の占い師がいるのを聞きつけて、そこに出向いたところ、「この人は運命の相手じゃないから、あなたにぴったりの人がいるから紹介します。一流会社の〇〇さんです」と実在する人を紹介され、「インチキだと思い、無視しました」と話していた。