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あのご長寿ドラマの主人公が爆弾発言!?

ご長寿ドラマ『グレイズ・アナトミー』は、「お金のため」に出演している!? 主演エレン・ポンピオがあけすけに語る!

2020/08/07 19:14
堀川樹里(ライター)
15年もメレディス・グレイを演じているエレン

 2005年から続いている長寿医療ドラマ『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』。シーズン1から主人公メレディス・グレイ役を演じているエレン・ポンピオが、仕事へのモチベーションをあけすけに語った。

 黒人女性としてテレビ業界で成功を収めている製作総指揮者ションダ・ライムズが手がける『グレイズ・アナトミー』。ションダは人材を育てる名手で、エレンは彼女のもと、監督/プロデューサー/ストーリーテラーとしても修業を積み、成長を遂げた。1話当たりの出演料は、番組スタート時の20万ドル(約2,100万円)から、15年には57万5,000ドル(約6,000万円)までアップしたという。経済誌「フォーブス」によると、18年のエレンの年収はボーナスなども含めて2,350万ドル(約24億8,000万円)で、「最も稼ぐテレビ女優」第3位にランクイン。名実共に大御所テレビ女優となった。

 現地時間8月3日に配信された、黒人女性ジャーナリスト、ジェメル・ヒルのポッドキャストに登場したエレンは、「実は、あなたのドラマをあまり見ていないの。メレディスを演じるあなたではなく、インタビューで読むあなた自身が好きなの」と言われ、「ありがとう」とうれしそうに返答。

 エレンは18年に業界紙「Hollywood Reporter」のインタビューで、「契約交渉をしようとしても、『君がいなくても(恋人役でエレンと共に番組の顔だった)、パトリック・デンプシーがいるしねぇ』と断られた」こと、「パトリックに『一緒に契約交渉しよう』と相談したけれど、興味を示してくれなかった」こと、「単独でパトリックより5,000ドル(約52万円)多いギャラを求めたものの、局から断られた」こと、「その時点で降板も考えたが、『男のせいで素晴らしい役を降りる必要なんてない!』と続ける決断を下した」こと、「そのパトリックが降板して視聴率が上がり、内心大喜びした」こと、「でもすぐに代わりの恋人役が登場し、『こんなにも早く、スタジオや局が“ペニス”を欲するなんて!』と思った」ことなどをぶっちゃけ、世間を騒然とさせた過去がある。

 今回のポッドキャストでこのインタビューでの発言を引用され、スタジオプロダクションや局、パトリックにさぞかしがっかりしたのではと聞かれたエレンは、「当時はがっかりしたけど、私はここまで来られたわけだし。言いたいこと言ってすっきりした。(業界で働く)ほかの女性たちのためにもなったしね」とさばさばした口調で答えた。

 次に「番組を降板した後、メレディス・グレイというイメージがついて回るのでは?」と質問された彼女は、「いいのよ。だって、この番組に居続けようと決めたのは、私自身なんだから」と回答。

「安定した家庭生活を送ることは、私には重要なことなの。キャリアよりも大事。あまりいい子ども時代を送っていないからね。心にあいた穴を埋めるために、私は幸せな家庭生活を送る必要があるの。だから、お金を稼ぐことにしたのよ。クリエイティブな役を追い求めること、役者として冒険することはやめて、お金を稼ぐことにした」

「自分はもともと何に関しても“追い求める”のが好きじゃなくて。でも役者業は、たくさんのものを追い求めないといけない。役が欲しいと懇願し、みんなを説得しなければならない」

「私は番組の顔で、たくさんの人が番組に関わっている。ションダ・ライムズが番組を作り、局が放送している。でも、私の顔でみんなが何百万ドルも稼いでいるわけでしょう? だったら私も、その恩恵を受けたい。おとなしく去るなんて、まっぴらごめん」

と、役者として冒険するのではなく、自分が働いた分の報酬額を追い求める道を選んだのだと語った。

 そして、「私がメレディスを演じ始めたのは33歳。最初の子を産んだのは40歳。25歳で演じ始めたのなら、6年契約終了後の31〜32歳でドラマを降板していたでしょうね」「でも、私は(最初の6年契約が終了した)40歳になったあたりで、『役者として冒険し、役が欲しいと懇願するのはやめよう』と思ったの。それより、自分に与えられたこの仕事を、恵みとして受け止めたかった」「(イメージが定着してしまった有名な役から)逃れたくて、まったく違うような役に挑戦するというのも、すごく理解できる」「でも、年齢と自分の人生を考慮したら、逃げないほうがいいなって。だから、番組に居続けることにしたの。私の選択だから(何を言われようと)問題ないわ」と熱弁した。

 エレンはその後、医療ドラマに出演していることの素晴らしさを語った上で、医療現場での差別についても声を上げていきたいと述べ、今後のキャリアについては「天国の母が見守ってくれていると思う。運命に身を任せている」と落ち着いた口調で語った。

 エレンは黒人の夫との間に3人の子どもをもうけているが、今回のインタビューでは、混血の娘に「警察はパパを殺すの?」と泣きながら聞かれたといい、ブラック・ライブス・マターについても熱く語り、情熱的な人柄を感じさせた。

 先日、ジョー役のカミーラ・ラディントン、オーウェン役のケヴィン・マクキッド、テディ役のキム・レイヴァーが新たに3年契約を結んだため、シーズン19までの制作は確実視されている『グレイズ・アナトミー』。エレンは、次のシーズン17が終わるタイミングで契約更改だと伝えられている。とはいえ、今回の発言を聞く限り、今後も契約は更新し続けるものと思われる。

堀川樹里(ライター)

6歳で『空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン』にハマった筋金入りの海外ドラマ・ジャンキー。現在、フリーランスライターとして海外ドラマを中心に海外エンターテイメントに関する記事を公式サイトや雑誌等で執筆、翻訳。海外在住歴25年以上。

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最終更新:2020/08/07 19:14
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