ジャニーズ事務所の特徴「兄弟Jr.」の切なさと魅力! “理想形”川崎皇輝・星輝と“王道”伊藤翔真・篤志
ところで、関西ジャニーズJr.にも有名な兄弟がいる。かねてより「室三兄弟」という名が西から轟いていた。しかし、関東人が関西ジャニーズJr.を見ることができる機会は、かつては年1回の『ザ少年倶楽部in大阪』と、12年10月から放送が始まった『まいど!ジャー二~』(BSフジ)程度で、それゆえ『まいジャニ』放送当初は、「なかなか個性的なルックス=室兄弟」といったイメージで、どこか心に引っかかっていた。しかし、そうしていつも心に残るのは長男でも三男でもなく、次男の龍太だったことが後に発覚。さらに、兄も弟も退所し、俳優など別の道を歩むことになったことを知るにつけ、「室三兄弟における『室的』要素のほとんどを次男が担っていて、その核だけがジャニーズに残るべくして残ったのか」と妙に感心した。
そんな室との組み合わせ抜群なのが、V6・岡田准一を補佐する「ひらかたパーク」の“ちび園長”、関西ジャニーズJr.の伊藤翔真、篤志兄弟だ。どちらも王道系の可愛さだが、より幼い弟・篤志が「みんなの弟」キャラになりがちであることから、お兄さんは少々分が悪い面がある。そんなことも、ジャニーズ兄弟あるあるだろう。
そんな中、これまでいなかったタイプの兄弟が、川崎皇輝・星輝兄弟ではないだろうか。兄・皇輝のほうは、NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』で三島弥彦役を演じた生田斗真に顔が似ていると言われるが、実は川崎家はその三島家の子孫であることがわかっている。
ちびっこJr.たちの一軍にほぼ所属し、しっかり者で落ち着きもあり、「少年忍者」の絶対的MCかつリーダー的(というか、担任の先生的)存在でもある兄・皇輝。しかし、同じく「少年忍者」のメンバーでありつつ、兄組でもなければ年少組でもない、「ミドル忍者」と言われる弟・星輝のほうは、“デキる兄”にコンプレックスを抱くわけでもなく、目立とうと必死なわけでもなく、空気を読みつつ、おちゃらけている。それでいて、アクロバットや縄跳び(四重跳びまでできる)などをはじめ、高い身体能力を持ち、ジャニーズ動画サイト「Johnny’s ISLAND TV」などでも豊かな発想力・企画力を発揮する一面もあるのだ。
一方兄は、そんな弟の「頭の回転が速く発想も柔軟で、でも飽きっぽい」という長所と短所を知り尽くしており、温かく見守りながら口出しはせず、ときどき放り出すものの尻拭いはするという有能ぶりを見せている。これまで、ジャニーズの兄弟のどちらかが分の悪い思いをしていたと思うと、まさしく、ジャニーズ理想の兄弟である。しかも、兄弟二人の“自宅でのやりとり”が「ISLAND TV」によって見られるのは、つくづく良い時代が来たなあと思う。
何かと気になるジャニーズ兄弟ウォッチは、今後も一つの課題として続けていきたいところだ。
(南山ヒロミ)