マスクによる肌荒れ、「○○しない」裏ワザで防げる!? 皮膚科医・上原恵理医師が“超簡単”な方法を伝授
――マスクをしていると、ニキビの治りが遅くなることも気になります。何か対処法はありますか?
上原 やっぱり、皮膚科に行っていただきたいですね。保険でできる範囲は、皮膚科で治療してもらうのが一番です。保険適応になっていないけど、海外で効果が認められているニキビ治療に関しては、美容クリニックのテリトリーになってきます。なので患者さんには、まず皮膚科に行ってお薬をきちんと使っていただき、それでも良くならないというのであれば、保険適応外の、でも効果があることをやっている美容クリニックに足を運んでみてほしいです。
ニキビ予防や対策商品って、ドラッグストアにたくさん売ってますよね。だから、「自分で簡単に治せるもの」と思われがちですが、そうではありません。特に今の時期は、マスクが刺激になって、普段よりニキビができやすかったり、治りにくい人も多いと思うので、自分で無理に対処せず、プロの力を頼りましょう。
――ちなみに、「不織布のマスクよりガーゼのマスクのほうが肌が荒れにくい」という情報を見たのですが、これは本当ですか?
上原 うーん……根拠はなんでしょうね(笑)? そもそも、医師の観点からガーゼや布のマスクに対して、「ちゃんと役割を果たしているか?」って疑問を持ってます。本来マスクって、いろいろな検査を受けて、「この大きさの細菌は通さない」とか、そういう判断のもと売られていますよね。でも今は、企業だけでなく個人でも“布マスク”を作って販売しているじゃないですか。ああいうのって、果たしてしっかり検査されていて、マスク本来の性質があるのかという点を、私は医者として疑っているんですよね。なので、そういった意味でもガーゼや布マスクはおすすめしにくいです。
――ガーゼや布マスクは、「洗って何度も使える」のが利点でもありますが……。
上原 数カ月前のように、品切れでマスクがなかなか手に入らず、何日も使い回さないといけないときには、丈夫なガーゼや布マスクが重宝していたと思います。ですが、今は使い捨ての不織布マスクも手に入るようになりましたし、なるべく毎日マスクを取り換えて、清潔なものを使ったほうが、肌のためにもいいでしょう。
ガーゼや布マスクを洗濯すると、目に見える汚れは取れるかもしれませんが、バイ菌は簡単に落ちるわけではありません。菌やウイルスが死ぬ温度まで加熱して、“滅菌”する作業が必要ですが、家庭でやるにはなかなか難しいでしょう。バイ菌が残っていれば肌荒れの原因にもなりますし、本来のマスクの使い方として、「使い終わったら捨てて、次は新しいものを使う」ことを基本にしてほしいです。