カルチャー
地方取材に高い壁
日テレ『バンキシャ!』で現地取材に「お触れ」が……コロナ禍で取材ができない報道現場のジレンマ
2020/07/28 11:00
5月25日の緊急事態宣言解除から2カ月が過ぎた今、東京都を中心に再び感染者が増加し始めた新型コロナウイルス。各局テレビ番組ではソーシャルディスタンスに配慮し、リモート出演はもちろん、スタジオ収録では出演者同士が間隔を空け、間に透明なアクリル板を設置するなど、感染防止策が取られている。一部の番組では、マスクを着用し、距離をとって取材対象者にアプローチしながら外出ロケを再開しているが、テレビ局関係者によれは、「現場では想像以上の困難が存在している」という。
6月中旬、筆者は日本テレビの報道部に所属する知人から電話を受けた。同局の報道番組『真相報道 バンキシャ!』を担当しており、新型コロナウイルス感染拡大の元凶ともされている「夜の街」で働くキャバクラ嬢やホストにインタビューを取りたいというのだ。
その知人とは長い付き合いだが、筆者はテレビ局に取材対象者を紹介することは避けているために依頼を断り、「自腹でキャバクラに行ってはどうか」と提案すると、言いにくそうに話し出した。
「“感染の危険がある現場には取材に出かけないように”とのお触れが出ているんです。そのため、コロナ関連の取材は、ほとんど現場に行くことができていません」(同)