カニエ・ウエスト、セレブへの批判ツイート連投! 「読んでいてつらい」「笑う人いない」心配の声続出
既報の通り、現地時間7月19日に開催した大統領選に向けた集会で、「(一瞬、中絶を考え)娘を殺しかけた」「オレも父親から中絶を望まれた子だった」と嗚咽しながら明かし、世間をあぜんとさせたカニエ・ウエスト。
白人保守層のような思考を見せつつも黒人差別を訴え、人工妊娠中絶に反対するキリスト教福音派のような発言をしたかと思えば「人工妊娠中絶は合法にすべし」と言い放つなど、枠にとらわれない“ぶっ飛んだ”演説だったのだが、彼の精神状態がかなり不安定になっているのではと心配する声が多く上がった。
英タブロイド紙「ザ・サン」は、この演説に激怒した妻のキム・カーダシアンが、カニエに「今すぐ大統領選から退いて。さもなくば、私があなたの元を去るわよ」と告げたと報道。米ニュースサイト「TMZ」は、カーダシアン家や友人たちはカニエを心配しており、双極性障害の症状が出ているのだから治療を受けるべきと提言しているのだが、カニエは聞く耳を持たないと伝えた。
そのカニエが現地時間20日夜、Twitterに姑クリス・ジェンナーや妻キムをはじめ、複数のセレブへのディス・ツイートを立て続けに投下し、さらにファンを心配させている。
カニエは何の前触れもなく、突然「クリス、ふざけんな。お前とCalmyeがオレの子どもたちのそばに来ることは許可していないからな。お前らみんなで、オレを(病院などに)閉じ込めようとしているんだろ」と投稿。「Calmye」とは、クリスが2014年秋から交際しているコーリー・ギャンブルのことで、「コーリー(Corey)はオレ(Kanye)のダウングレード版だからCalmyeにする」というカニエ思考によるもののようだ。
15年のインタビューでクリスを「母さん」と表現するなど、慕っていたカニエ 。しかし、コーリーのことは気に入らず、以前も「オレたちはお前のことを何も知らないよな。お前の家族にも会ったことがないし」と、ぶしつけなメールを彼に送りつけ、クリスを怒らせたことがあった。
カニエは続けて、「みんな、映画の『ゲット・アウト』はオレのことだと知ってる」とツイート。『ゲット・アウト』(17)とはアカデミー賞脚本賞を受賞したジョーダン・ピール監督の大ヒットホラー映画。「白人が永遠の命を得るため、おびき寄せた黒人に白人の脳を移植する」という内容だ。
次に、「ノースの母親(キムのこと)がセックス・レイプを売らないように、オレは子どもたちのために命を懸ける」「ノースの母親が、(雑誌)プレイボーイに写真を撮られないよう、オレは神のために命を懸ける。神にそう動かされるのだ。オレは今、牧場にいる……捕まえにこい」とツイート。「セックス・レイプ」とは、キムが02年当時交際していた歌手レイ・ジェイと撮影したセックス・テープのことと思われる。07年、第三者が大手ポルノサイト「Vividエンターテインメント」に、このテープを売却。キムは阻止しようと訴えたが、和解金を提示され、訴訟を取り下げた。このセックス・テープがキムを一躍 スターダムへと押し上げたのだ。
17年に発売されたカーダシアン家の暴露本『Kardashian Dynasty』では、クリスがこのセックス・テープを「Vividエンターテインメント」に流したと書かれている。クリスは否定しているが、「クリスが売り込んだ」「クリスがセックス・テープを撮れと命じた」というウワサは以前から流れていた。また「プレイボーイ」は、07年に子どもたちのマネジャーを務めるクリスが受けた仕事。これらを踏まえて、カニエは「クリスがキムの性を売っている」と非難したのだ。
そして、カニエは次に、「ドレイク」という一言に、“考える顔の絵文字”を添えて投稿。「オレを捕まえにこい……プシャが言っていたように、これはエクソダスだ」「神に誓って」と宣言。これは、20日午後にリリースした「Only You Freestyle」という新曲で、カニエとプシャ・Tをディスったとウワサされているドレイクに対するもの。18年にカニエとドレイクは音源をめぐり対立し、不仲に。ドレイクのメールにぶち切れたカニエが数時間で100件を超えるディス・ツイートを投稿した。この時、カニエは、双極性障害の症状が出ていたが薬を飲まず、精神的にとても不安定だったから連続ツイートをしてしまったのだと明かしている。
続いて、「シャイアはウソつき野郎だ」「キムがオレを閉じ込めるために、医者を連れてこようとした」「もしオレがマンデラのように閉じ込められたのなら、そうことだ」「シャイアはYZY GAPの撮影初日に参加すると約束したのに、すっぽかした」「アナ・ウィンターはオレにいつもよくしてくれるが、GAPと仕事をすると話した時、オレのことを狂っているという目で見た。その後、電話かけてきたけど、クソくらえだ」とツイート。
これらは、キムが自分のことを精神科病棟に緊急入院させようと、ロサンゼルスから医師を連れてこようとしたこと。カニエと「GAP」のコラボライン「YZY GAP」の撮影をめぐり、親交のある俳優シャイア・ラブーフと行き違いがあったことを示唆したものだとみられる。アナとは、カニエと親交が深い米「VOGUE」の名物編集長のこと。彼女がハイブランドでないGAPを見下していると言いたいのだろう。
カニエはその後、「今、クリスとキムから電話があった」とツイートし、クリスに送った「オレと話す心の準備はできたか」というメッセージのスクリーンショット画像と、子どもたちと触れ合う自分の写真に「ウエスト家の子どもたちは、絶対にプレイボーイに載せない」という言葉を添えて投稿。
続けて、Googleで「正義の怒り」を検索したスクリーンショット画像、「オレは妻を愛している。家族はそばにいるべき。もう、EやNBCには動じない」と投稿し、一家を追ったリアリティ番組『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』を放送している米「E!」局や、同局の親会社であるNBCユニバーサルの指示により、キムがカニエのいるワイオミングではなくロサンゼルスに住み続けていることを示唆。そして、「NBCはビル・コスビーを閉じ込めたんだぞ」と、80年代に爆発的な大ヒットとなったコメディ番組『コスビー・ショー』のビルが性的暴行で刑務所に入っているのは、番組を放送したNBCの差し金ともとれるツイートをした。
一連のツイートの締めくくりは、「キムはオレを措置入院させようと、医者を連れてワイオミングに飛ぼうとした。映画『ゲット・アウト』のように。昨日、オレが娘の命を救ったことを思い出して泣いたから」だった。
これらのツイートは、40分の間に立て続けに投稿されたもので、ネット上でたちまち拡散。子どもたちの写真とGoogleの検索スクショ画像以外はすべて削除されたが、「これは完全に精神崩壊でしょ」「精神的に苦しんでいるのがよくわかる。読んでいてつらくなる」「コロナ禍で双極性障害が悪化したのかな」「これを笑う人はいない。だって明らかに病気だよ」などと心配する人が多く、ネット上は騒然とした。
カニエだが、ツイートを削除した後は「音楽に集中」とつぶやき、新作アルバムを宣伝するなど、のんきな様子を見せている。しかし、「いつまた精神状態が悪化するかわからない」とハラハラし、早期の治療を望むファンが多いようだ。
一方で、連続ツイートをバカにしたり、笑いものにしたりする人々に対し、デミ・ロヴァートらセレブが苦言を呈している。双極性障害であることをカミングアウトしている歌手のホールジーも、「冗談を言うのはやめようよ」「躁病エピソードは冗談じゃないんだよ。理解も同情もできないなら、黙っててくれる?」と警告していた。
21日にはTwitterで「#PrayForYe」(カニエのために祈ろう)というハッシュタグがトレンド入り。07年に自分の頭を丸刈りにした歌手ブリトニー・スピアーズに対してもそうだったが、アメリカ人は派手に精神崩壊したセレブに対して優しく見守る傾向にある。カニエの今回の一連のツイートも「奇行」とは捉えず、「メンタルが悲鳴を上げているSOSだ」と受け止め、「病気だから仕方ない」「妻を信用できず、苦しいのだろう。強い被害妄想にとらわれていて、彼も周りの人たちも気の毒だ」といった同情のほうが多いようだ。
「今回は大統領選を見送り、治療後に2024年の大統領選にチャレンジしてほしい」と願うファンの声も多いが、我が道を行くカニエだけに、どうなるのだろうか………。