コラム
仁科友里「女のための有名人深読み週報」

EXIT・兼近大樹、「甘え上手」という天性の才能――私が「吉本のマッチ」と呼びたいワケ

2020/07/23 21:00
仁科友里(ライター)

 お笑いの世界で、「失礼な真似」と「甘え上手」の二つを使いこなす才能を持っているのが、EXITの兼近大樹だろう。

 まず、「失礼な真似」についての例を挙げると、『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系)に出演した兼近は、MCの明石家さんまに「おしゃべりシーフード」というあだ名をつけていた。共演者である今田耕司は「シーフード兄なんてちょっと言えない」、麒麟の川島明は「よく壁ぶち破ったな」と兼近の失礼な言動に驚いて見せたが、さんま側から見れば、後輩が多少失礼でも物怖じせずに絡んでくることで、新鮮な笑いを生み出せるとあって、兼近を許さないわけはないだろう。

 一方、兼近はお笑いの世界に限らず、「甘え上手」ぶりを発揮しているようだ。7月16日放送の『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)に出演した兼近は、歌手・大黒摩季と同郷であることから親しくなったことを明かしている。相方であるりんたろー。と3人のグループLINEもあるそうだが、りんたろー。いわく「兼近のことが可愛いのかな」と感じられる節もあるそうで、大黒が行きつけのレストランに兼近が訪れると、お店の人に「大黒さんからお会計もらっていますから、好きなものを頼んでください」と言われて、全額ご馳走になったといいうが、一方のりんたろー。は、「自分で会計した」そうだから、やはり兼近は可愛がられるのがうまいのだろう。

 さらに兼近は、「失礼な真似」と「甘え上手」を同時にこなすこともできるようである。同番組で兼近は「正直、オレが一番可愛がってほしい芸人は、浜田(雅功)さん」と甘えるが、「オレを可愛がらないのは、おかしい」と上から目線の失礼な言い方をすることも忘れない(そうでなければ、単なるおべんちゃらになってしまうからだろう)。兼近が、浜田に「自分を可愛がるべき」と主張するのにはワケがあり、誕生日が一緒、浜田の息子と兼近が同い年、浜田と兼近の父親の職業が一緒(ペンキ屋さん)と“運命”を強調したうえで、「こんな共通点あって、よく可愛がらないでいられるな」と、またも失礼な言い方をして浜田を笑わせていた。同番組に出演していた千鳥・ノブによると、「浜田さんは可愛がっている後輩を増やさない」そうだが、もし誰かを新規メンバーとして誘うなら、兼近のように笑いを伴ってアピールしてくる後輩のほうが、誘いやすいのではないだろうか。

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