『バイキング』拡大のトンデモない内幕――制作スタッフ“クビ”の責任を坂上忍に押し付けるフジと「女性セブン」
下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
Go Toトラベルのドタバタ劇。結局、政府がキャンセル料を負担すると発表されたが、でも最大3割程度って。じゃあ残りの7割は? わからん。もうキャンペーン始まるっていうのに。
第516回(7/16〜7/21発売号より)
1位「坂上忍 『全員クビ!』で暴動前夜『バイキング』延長というテレビの断末魔」(「女性セブン」7月30・8月6日合併号)
2位「紗栄子 右手に松潤 左手にワンオクTaka 極秘密会で話し合ったコト」(「女性セブン」7月30・8月6日合併号)
同「工藤静香 『諸星』『的場』『YOSHIKI』男で変わる『愛の履歴書』(「週刊女性」8月4・11日合併号)
3位「三浦春馬さん 誰にも言えなかった心の闇と収録現場での“異変”」(「週刊女性」8月4・11日合併号)
※「女性自身」は合併号休み
やっぱりきな臭かった。情報番組『バイキング』(フジテレビ系)の周辺が。そもそも『バイキング』に関して、「週刊女性」(6月30日号)が、その“打ち切り”情報を報じたのだが、これがきな臭かった。記事では、司会の坂上忍の“数年前の”パワハラを引っ張りだし、打ち切り説を展開していたから。本欄でもこの記事を“きな臭い”と取り上げた。「政権に対する批判を強めていたバイキングへの圧力では」と。
だが「週女」報道とは裏腹に、『バイキング』は9月28日から放送枠を1時間拡大し、代わって『直撃LIVEグッティ!』(フジテレビ系)が打ち切りになるとが発表された。しかし「女性セブン」によると、その内幕はやはりトンデモないものだった。
まず『バイキング』の放送拡大は、フジテレビによる司会・坂上への最後通告なのだという。
「ここ数年、放送内容に対してフジテレビ上層部から物言いがつけられているんです」
「『バイキング』は積極的に政権批判を繰り返してきた。これに対し、『バラエティー番組が政権批判とは何事だ!』『一方的かつ行きすぎている』と、局内で批判が集中していました」
やはり政権批判を強めてきた『バイキング』への風当たりが強かったということだ。もちろんフジテレビ、フジサンケイグループは保守路線、政権ベッタリとして知られるメディアグループだが、とはいえ言論機関には違いない。情報番組で政権批判をするのは当然のはず。しかもコロナ感染拡大のなか、無策無能ぶりを続ける政府、政権を監視、チェックするのも当然だ。でも、フジの論理はそうではなく真逆ということだ。
さらに卑劣なことに、『バイキング』を制作していたバラエティー班を外し、『グッディ』などを制作している情報制作局に移行、スタッフも大幅入れ替えするという。売れっ子で視聴率も取れる坂上を簡単には切れない、ならば、お目付役として上層部の意向に沿う部署をつけ、政権批判を抑えたい、ということだろう。それだけでなく、フジは坂上のパワハラ疑惑調査に乗り出したのだという。今さら感満載だが、これまた卑劣だ。
だが、卑劣なのはフジテレビだけではない。こうした内幕を報じた「セブン」も、そのスタンスは政権批判をする坂上の方に冷ややかであり、かつ完全にフジテレビ寄り。それはこんな記述からも明らかだ。
「現在の制作会社スタッフはお役御免(略)全員が“クビ”となる制作会社もあるでしょう。ボスである坂上さんが責任を取らないのは不可解です…」
いやいや、そもそもバラエティ班を切ったのはフジテレビの意向でしょ。なんで坂上だけに責任を押し付けようとするのか。だいだい、政権の忖度するフジテレビと、情報番組としての責務をまっとうしようとする坂上と、どちらが“報道”“メディア”としてまっとうなのか。しかも「セブン」が坂上を直撃すると、坂上は「誠意ある記事を!」とコメント。それを受け、記事はこう締めくくられている。
「改編して仕事を失うスタッフの方こそ、坂上に“誠意”を求めたいに違いない」
フジテレビの責任や報道姿勢を問題とせず、あくまで坂上に押し付けたようとする「セブン」。あぜん、である。