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出世コース間違いナシ

直木賞、「まるでベストジーニスト賞」と揶揄の声――ひっそり3連覇の“殿堂入り”人物に「前代未聞」と関係者

2020/07/16 21:30
サイゾーウーマン編集部
馳星周『少年と犬』(文藝春秋)

 7月15日、「第163回芥川龍之介賞・直木三十五賞」の選考会が都内で開かれ、芥川賞は高山羽根子の『首里の馬』(「新潮」3月号、新潮社)と遠野遥の『破局』(「文藝」夏季号、河出書房新社)、直木賞は馳星周の『少年と犬』(文藝春秋)が受賞した。実は『少年と犬』については、ノミネート時点で「多くの出版関係者が、受賞を確信していた」(出版関係者)という。

「直木賞受賞作は、前回、前々回と、全て文藝春秋の女性編集者K氏が担当を務めているんです。当然、賞は作品の内容で選ばれているため、同一出版社による連続受賞はなんら不思議ではありませんが、同一編集者の作品が3回連続で受賞するというのは、前代未聞の出来事では」(同)

 公には表彰されない“編集者の3連覇”。関係者が騒ぐのも無理はないが、「さすがに4連覇はないだろう」ともいわれているようだ。

「K氏が担当した作品の直木賞受賞も、今回が最後だとみられています。文藝春秋では、担当した作品が3回、大きな賞を受賞すると、同編集者は『昇進する』というのが業界の通説だとか。なお、K氏は3回連続の受賞で“殿堂入り”ということで、一部関係者からは『「ベストジーニスト賞」かよ』などと、揶揄する声も出ています」(同)

 ベストジーニスト賞では、投票による「一般選出男性部門」でここ15年ほど、ジャニーズ事務所の所属アイドルが1位を獲得しており、これまでに木村拓哉、草なぎ剛(当時SMAP)、KAT-TUN・亀梨和也、嵐・相葉雅紀、Kis-My-Ft2・藤ヶ谷太輔、Hey!Say!JUMP・中島裕翔が殿堂入りしている。殿堂入りしたタレントは、翌年から同賞のエントリーからは外されるのが慣例だけに、K氏についても4度目はないということだろう。

 なお、編集者の3連覇とあわせて文藝春秋も連覇を果たしたわけだが、これについても、こんな声が聞こえてくる。

「要するに、『文藝春秋社の都合』という話ですよ。そもそも芥川賞と直木賞は、文藝春秋創設者が設立した日本文学振興会が主催する『文壇界を盛り上げるための賞』であり、ノミネート作品や受賞作品を発表することで世間の購買意欲を煽ることができる。文藝春秋は、売り上げを伸ばすために自社作品に賞を与えたとも考えられます。18年に就任した文藝春秋の現社長は、それまでの編集畑の人間ではなく、異例の経理出身という背景もあって、近年はさらにビジネスライクになっている印象です」(別の出版関係者)

 作家の陰に隠れ、編集者がひっそりと“殿堂入り”を果たしていた今回の直木賞。次回の受賞者、またノミネート作品に、俄然興味が湧いてしまうところだ。

サイゾーウーマン編集部

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最終更新:2020/07/16 21:30
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