マツコ・デラックス、「ポテサラ事件」へのズレたコメント……「高齢男性と変わらない」と感じたワケ
マツコはポテサラじいさんを「高齢の男性、一人暮らしで、普段人との会話もなく、もともと性格にも難がある」存在、つまり孤独なお年寄りだと想像している。さみしさゆえにコミュニケーションに飢えていて、だからこそ、見ず知らずの女性に命令してしまう。ポテサラじいさんは「かわいそうな人」なんだから、こちらが大人になって優しくしてやりなよと言いたいのだろう。
ポテサラじいさんが実際にどんな人なのかは誰にもわからないが、「家族と暮らし、経済的にも何の不自由もないのに説教をしないと気が済まない人」というのも実在するのではないだろうか。
私の友人のお父さんがまさにこれで、リタイアした後、テレビを見ては1日に何回もテレビ局に電話をかけて、出演者について質問したり、文句を言う説教じいさんになってしまったという。高齢男性が急に怒りっぽくなったとき、認知症を疑う必要があるそうで、検査もしてみたが特に異常なし。友人はお父さんについて、「現役時代、要職にあった父は多くの部下を持ち、機嫌を取ってもらえていた。しかし、会社員でなくなると誰も寄り付かない。家族もそれほどチヤホヤせず、むしろ『リタイアしたのだから、家事を覚えろ』と自分に命令をしてくる。それが不愉快だから、自分を絶対に邪険にしないテレビ局の視聴者センターのようなところに電話をして、自分の支配欲を満たしているのではないか」と分析していた。
もし、ポテサラじいさんが、支配欲から見ず知らずの女性に命令をしてしまうとしたら、マツコの言う「すいません、今日は忙しいんで、ついつい買っちゃったんですよね」という対処法は得策でなく、むしろより多くの被害者を生むことになるのではないか。というのも、女性が「私が悪い」と“謝る”ことで、「ポテサラじいさん>女性」という上下関係が生まれ、その支配関係に味を占めたポテサラじいさんが、別の女性をターゲットとして狙う可能性がないとは言い切れないからだ。