コラム
コロナ禍で大打撃
「ユニクロ参入で布マスクバブル崩壊」「人気アパレルでセクハラ辞任」2020年上半期ファッションニュースベスト3
2020/07/19 16:00
老舗アパレルのレナウンが5月中旬、ついに経営破綻し、民事再生法の適用を申請しました。2013年に、経営難から中国のアパレル企業・山東如意科技集団の子会社になりましたが、ずっと業績は回復せず。昨年末には、山東如意の香港子会社から、売掛金53億円が回収できないという事態に陥っていたため、コロナ禍の影響がなくても、早晩、レナウンは破綻したと言えます。
特徴的なのは、親会社の山東如意も経営が行き詰っており、資金繰りがかなり悪化していることです。その理由は、ダボハゼ的に、レナウンをはじめとする国内外のブランドやアパレル企業を買いまくっていたから。この点は、昨今、大赤字に転落したライザップと非常に似ています。しかし、もともとは紡績などの繊維製造業からスタートした山東如意に、ブランドを運営する力はありませんでした。レナウンを買収した直後は、同社の持っている「シンプルライフ」というブランドを中国で直営店化しようとしましたが、結局売れないままに撤退しました。
またレナウンの構造的な問題として、所有しているブランドの知名度が低すぎたことと、顧客層が60代半ば以上の高齢層に偏っていたことも致命的でした。新しいスポンサーが決まらなければ、レナウンは会社清算ということになりますが、今のところ、新規スポンサー探しは難航。個人的には、ブランドごとに切り売りされることになると予想します。