千鳥、『相席食堂』『テッパンいただきます!』他レギュラー15本の“死角なきコンビ”の強みと爆弾とは?
7月で結成20年。いま、千鳥がノリに乗っている。レギュラー本数はコンビ・ピン合わせて15本を数え(地上波、BS、スカパーなど含む)、担当CMはなんと9本だとか。先ごろは大悟が、師匠と仰ぐ志村けんさんの愛車「キャデラック・エスカレード」を約500万円で購入したことが報じられ、その師弟愛はファンを喜ばせている。
2014年、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で、東京進出後も足踏み状態が続いていた千鳥に、東野幸治ら芸人仲間が「帰ろか…千鳥」という持ち込み企画をしていたのが嘘のような活躍ぶりだ。
「12年、千鳥の2人は11本あった大阪でのレギュラー番組をほとんど降板して上京。しかし『THE MANZAI 2013』(フジテレビ系)でウーマンラッシュアワーに優勝をさらわれたり、『ピカルの定理』(同)に途中からレギュラー参加するも、加入から5カ月で打ち切られるなど不運が続きました。関東で売れるきっかけを作ろうと、『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)ではノブが『ノブ小池』に改名させられるなど、いろいろイジられていましたね」(芸能ライター)
関西では実力が認められていたものの、関東では挫折続き。当時の在京テレビ局における評判は、どうだったのだろうか?
「上京後の低迷期にあった彼らは、大悟のすさんだ感じが画面越しでも伝わってきました。ノブのツッコミのフレーズも精度が低く、スタジオを時に凍らせることもあった。また彼らは『シンプルに口が臭い』『胃が腐っとんじゃ』というフレーズを多用。今では口にすることも減りましたが、少しお茶の間にそぐわない、メインストリームでは活躍しなさそうな芸風だったのは確かです」(テレビ制作スタッフ)
だが、何が幸いするのかわからない。宮川大輔から、『満天☆青空レストラン』(日本テレビ系)に出ないかと勧められて出演。宮川に命じられるまま「シンブルに口が臭い」をロケ現場で連発し、それを見ていた関係者が『笑神様は突然に…』(同)に紹介。内村光良から「こういう子たちが売れないといけない」と評価されたと、後に千鳥が『華丸大吉&千鳥のテッパンいただきます!』(フジテレビ系)で明かしている。
また、師弟関係を結ぶ仲となる志村さんとは16年10月、『志村けんのバカ殿様 最新作笑いの金メダルSP』(フジテレビ系)で初共演。バイきんぐ、おかずクラブといった若手芸人のネタ見せコーナーの1組として出演し、志村さんにハマった。早速、志村さんは2人を翌17年から始まった『志村の夜』(同)にゲスト出演させ、さらに18年からは大悟をレギュラー出演させた。ここから徐々に風向きが変わっていった。
「ロケもでき、MCとしてもノブが司会で、大悟がパネラーという、くりぃむしちゅーパターンでブレイク。また高校の同級生ということもあり、その当時のエピソードも尽きない。さらに既婚者ということで妻子の話などプライベートも笑いにして話せる強みがあります」(放送作家)
現在、大悟はヤンチャなイメージ、一方ノブはNHK朝の連続テレビ小説『なつぞら』に出演、ファブリーズのCMイメージキャラクターと、清潔感あるイメージで売っている。もはや死角がどこにもないように見えるが……。
「今後の勝負は、10本を超えるレギュラーを、どれくらい継続できるかでしょう。地元の関西テレビ『相席食堂』やテレビ埼玉のローカル番組『いろはに千鳥』、AbemaTVの『チャンスの時間』といったものも続けつつ、4月から始まったゴールデンタイムの『クイズ!THE違和感』(TBS系)や『華丸大吉&千鳥のテッパンいただきます!』などキー局の番組も担当するなど、とにかく受けられるだけ番組を受けている。これは、いつほかの番組が終わってもいいように、という保険でしょう」(前出・関係者)
ダウンタウンやウッチャンナンチャン、くりぃむしちゅーなどもレギュラー番組の相次ぐ打ち切りにより「低迷した」「時代が終わった」と報じられた経験がある。現に、とんねるずは唯一あったレギュラー『とんねるずのみなさんのおかげです』(フジテレビ系)の終焉によって忘れ去られてしまった。
さらに彼らはある爆弾を抱えている。
「16年末、大悟は写真週刊誌『フライデー』(講談社)で、ヒョウ柄ジャケットの茶髪女性のお持ち帰りが報じられ、17年には20代の金髪ダンサーとの不倫疑惑が持ち上がりました。ただその時は、アンジャッシュ・渡部建のような生々しい証言や、ベッキーのようなLINEが流出したわけでもないため、ダメージが少なかったのです。しかし、今や不倫が薬物使用といった犯罪と同レベルに叩かれ、謹慎を余儀なくされる情勢です。メディアの後追いに次ぐ後追いで、芸能界に復帰できるまでの時間も長くなってしまいました。ですから大悟の女性問題が心配です。その点については吉本興業も厳しく戒めているとは思いますが……」(前出・関係者)
テレビで姿を見ない日はないほど絶好調の千鳥。抱えている番組すべてが1年後も続いているのかどうか? 今後の動向にも注目したい。
(村上春虎)