リモート出演・自宅収録で変わる、女子アナ“産後復職”事情ーー妊娠・出産で「番組卒業」は「減っていくはず」
現在、第1子妊娠中のフリーアナウンサー・川田裕美が、5月28日、自身のインスタグラムに大きなおなかを掲載した。張りでた腹部を下からのアングルで撮影した1枚で、川田自身も「なかなかの迫力…」とつぶやいている。
川田といえば5月19日、レギュラーを務めていた『この差って何ですか?』(TBS系)で産休入りを報告するとともに、「(出産後も)戻らせてもらいたいなと思っている」と復帰に意欲を見せていた。
しかし、現実には女性アナウンサーの復職は、かなわないことが多い。
「2017年まで『この差って何ですか?』のMCを務めていたのは、赤江珠緒アナ。17年3月、妊娠6カ月だった彼女は、出産準備に向けて同番組を産休ではなく卒業、その日のうちに後任者の川田が紹介されました。また、この3月には、朝の番組『グッド!モーニング』(テレビ朝日系)で13年から長らく総合司会を務めてきた松尾由美子アナが、出産準備のためにこちらも降板。同月30日から、それまでサブキャスターだったセントフォースの新井恵理那が総合司会に昇格しています。松尾の席はすでに奪われた形です」(芸能ライター)
昨年1月には、『人生最高レストラン』(TBS系)の初代アシスタントを務めてきた笹川友里アナウンサーが出産準備に入るため、番組卒業を発表。入社1年目の宇賀神メグアナが2代目を務めている。
「こうした卒業も本人と相談した上だとは思いますが、テレビ業界は妊娠や出産を番組の“リニューアル”機会としか思っていないフシがある。ほかにも、こんな話があります。18年9月、『NEWS ZERO』(日本テレビ系)で6年間、火曜日キャスターを務めてきた桐谷美玲が降板しました。7月に三浦翔平と結婚したばかりでしたが、かねてから『30歳までに子どもを産みたい』と公言していたため、そう遠くないうちに妊娠すると見越した上での卒業だったともいわれています」(業界関係者)
なんともやりきれない、妊娠=卒業という図式。だが一方できちんと元の“席”に戻るケースもあるにはある。
元競泳日本代表でスポーツキャスターの寺川綾。18年2月、レギュラー出演の『報道ステーション』(テレビ朝日系)番組内で、第2子妊娠のため産休に入ると発表。その際「元気な赤ちゃんを産んで、私自身もパワーアップして、戻ってきたいと思います」と言っていたが、その言葉通り、出産後の同年6月には早々と復帰している。
小泉進次郎環境相と結婚し今年1月、第1子男児を出産した滝川クリステルも、4月5日、ナビゲーターを務めるラジオ『サウジサウダージ』(J-WAVE)に復帰。また今月26日には、博多華丸・大吉とともにMCを務めている『教えてもらう前と後』(TBS系)の復帰を果たしている。
「ちなみに滝川は、このラジオ番組を、子どもを抱っこしながら自宅で収録。『教えてもらう前と後』も、リモート出演していました。コロナ禍によって、わざわざスタジオに来なくても仕事ができるという空気が生まれつつあります。ですから今後は、妊娠や出産による卒業は減っていくはず。それでも降板させる番組は、働き方への理解が乏しいと自ら言ってるようなものでしょう」(同・関係者)
ちなみに現在、子どもを出産し、番組を休んでいるアナウンサーといえば、『スッキリ』(日本テレビ系)や『バイキング』(フジテレビ系)などにレギュラー出演していたフリーアナ・高橋真麻がいる。産休明け、元の番組に戻るのだろうか。
(後藤壮亮)