『ザ・ノンフィクション』18年を共にした愛犬との別れ「花子と先生の18年 ~人生を変えた犬~ 後編」
花子が息を引き取る瞬間にまでカメラが入るのかどうか、前編から気がかりだった。太田は当初はカメラが入ることを了承していたようだが、最期は花子にとっての家族である自分やスタッフたちで見送りたい、と謝罪し、その意志を番組スタッフも尊重していてほっとした。花子の今際の時を映さなくても、この前後編で大切なことはすべて伝わったと思う。
私もそうだが、番組を見た人のほぼ全員が感じたであろう「太田先生は立派な人だ、感動した」という思いを、そこに留まらせず、行動に移すための選択肢を調べてみた。記載しておきたい。
【選択肢1】番組内で太田が支援していた団体へ支援する
太田が医療支援を行っている動物愛護のNPO、ボランティア団体のうち、番組内で団体名と氏名が紹介されていた方は以下の通り。
◆太田の医院に保護猫の治療に訪れたノッドダフト森 シェリル リンさん
『ジャパン・キャット・ネットワーク』
◆太田が避妊、去勢手術をするため訪ねた今成貞江さん
『いぬねこの森』
◆多頭飼育崩壊した家にいる犬の去勢手術のため太田を訪ね、のちにその犬たちのためドッグランを作った東江ルミ子さん
『NPO法人にゃいるどはーと』
◆福島で被災動物の保護活動を行う二階堂利枝さん
『NPO法人SORAアニマルシェルター』
これらの団体では、里親やボランティアなど人員の募集、ドッグフードやキャットフードなど救援物資の募集や募金の呼びかけを行っている。Amazonの「ほしいものリスト」を活用し救援物資を募集している団体や、YouTubeで配信を行う団体もあった。YouTubeはチャンネル登録者数が4,000人を超え、直近の期間で一定数の再生があると収益化もできる。チャンネル登録や視聴の形での協力もあるだろう。
私はこれら団体のうち、ホームページ上で上記のお名前の確認がとれた団体について、今回の原稿料の半額(全額、と言えないのが心苦しい)を分割し寄付した。
【選択肢2】ふるさと納税で動物愛護のために寄付する
返礼品が注目されがちなふるさと納税だが、返礼品なしで自治体の抱える社会問題解決のために寄付ができるケースもあり、その中には動物愛護をテーマにしたものもある。まだ数は少ないが、こういった自治体が成果を出せばその流れは波及していくかもしれない。
一例:「殺処分ゼロ」の継続が2020年2月で1400日になった広島県神石高原町の取り組み
【選択肢3】不用品処分で愛護団体の活動資金に
コロナで巣ごもり生活が続き、自宅の不用品の整理に励んでいる人も多いかと思う。古本等の買い取りを行う株式会社嵯峨野では、CSR活動として古本募金を行う「きしゃぽん」を行っている。送られてきた本やDVDなどの日用品を査定、換金し、換金額を日本動物愛護協会に寄付する取り組みも行っている。寄付金は、飼い主のいない猫の不妊去勢手術の助成や行き場のない動物の新しい家族探しのために使われている。
太田は超人だと思うが、最初から超人だったわけではなく、花子と出会い信念が生まれ、ぶれない行動を続けてきたから今があるのだろう。「立派な人もいたものだ」で終わらせず、こんな人がいるのだという衝撃と、こんな人でも日々の積み重ねの上に今の姿があるのだ、ということを忘れずに生活していきたい。
次週の『ザ・ノンフィクション』は『夜だけ開く心の診療所 ~生きづらい時代の物語~』。大阪・ミナミの繁華街にある「アウルクリニック」は全国でも珍しい夜だけ診察する精神科診療所だ。さまざまな悩みを抱え夜の精神科を訪ねる患者たちと、彼らと向き合う精神科医・片上徹也の日々。