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ジャニーズの「性虐待」暴露、覚醒剤逮捕――人気グループ“再結成”めぐる「口止め交渉」の闇

2020/05/14 15:00
渡邊孝浩

 99年7月、なんと江木が覚醒剤取締法違反で逮捕された。

「自身の使用のほか、知人女性に軽いノリで飲ませていたことも認めていました。衝撃的だったのは、江木の公判に弁護側証人として出廷した、フォーリーブスメンバーの青山孝の証言。なんと『紅白』出場7回の大人気アイドルだったにもかかわらず、ジャニーズ事務所からもらっていたのは、ずっと3万円の小遣いのみで、解散するころになってやっと50万円に上がったということでした。あとは事務所を辞めるときに200万円をもらったのみで、金の残ったメンバーはいないと暴露したんです」(ジャニーズに詳しい記者)

 芸能プロ経営などを成功させていたように見えた江木も、被害者女性に30万円の示談金が支払えず、ジャニーズに相談をしたところ、“もう関係ない”と取りつく島もなく断られ、バーニングプロダクションの社長に立て替えてもらったことも明かされた。

 江木の覚醒剤使用には、擁護の余地など1ミリもないが、フォーリーブス時代の冷遇ぶりも合わせ、その冷酷な使い捨ての実態が、江木の存在によって改めて浮き彫りにされることとなった。

 だが、両者の関係に、その後、大きな変化が訪れる。

突然のフォーリーブス再結成

 2002年に、歴史の闇に葬られたはずのフォーリーブスが、オリジナルメンバーで再結成されたのだ。江木はもちろん、青山(同年、孝史に改称)、そして誰より北とのそれまでの経緯を考えると、フォーリーブスという名前、楽曲の使用が許されたのは、とても信じられないことだったが、その背景には、99年10月から「週刊文春」(文藝春秋)が展開した“ジャニーズ糾弾キャンペーン”があったと言われている。

「『文春』の焦点はジャニー氏の“セクハラ”で、多くの元所属タレントが証言を寄せる中、青山も取材に協力。当然、『光GENJIへ』で生々しい性描写でもって、ジャニー氏の性的虐待を告発していた北も、ジャニーズ追撃へと声を上げるものと思われましたが、04年に裁判が終わるまで、沈黙を守ったんです。そのウラでは、証言などで『文春』サイドに協力しないなら、フォーリーブスの再結成を認めるという、口止め交渉があったのではと囁かれました」(同)

 フォーリーブスの再結成は、かつてのファンを熱狂させ、コンサートは大盛況。かなり後退していた江木の頭髪も、気がつくとふさふさになっており、メンバーらはファンとともに青春の続きを楽しんだ。しかし、それも09年の青山の急逝で活動休止に。12年には北も亡くなった。

「江木は、あいざき進也、元フィンガー5の晃、狩人の高道らとともに、ユニット〈taste4〉を結成して音楽活動を続けています。また、あわせておりもとのフォーリーブス名義のイベントにも、強い意欲を持っているようですね」(同前)

 良くも悪くも、ジャニーズ抜きに江木の人生はあり得ないのである。
(渡邊孝浩)

◎いま振り返るジャニーズの“少年愛”報道

 

最終更新:2020/05/14 15:00
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