安倍昭恵夫人とスピリチュアルの深いつながり――「五輪イベント」を売り込んだ“教祖様”との蜜月関係
弱った心に入り込む、甘い言葉やラクに稼げそうな情報――。ネット上には、無責任な理論で集客しては人を食い物にするような、スピリチュアリスト、霊能者、民間資格カウンセラーなどがあふれています。彼らを信じ込んでしまえば、価値観や金銭感覚をゆがめられるのはあっという間。友人や家族を失ってからでは、もう遅い! 「スピリチュアルウォッチャー」黒猫ドラネコが、現代社会にのさばる怪しい“教祖様”を眼光鋭く分析します。
いやはや、痛恨のうっかりです。「スピリチュアルウォッチャー」としてこのコラムをやっておりますが、ドクタードルフィンのマークを外しておりました……。
4月16日発売の「週刊文春」(文藝春秋)にて、安倍晋三首相の妻である昭恵夫人が、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、外出自粛が呼びかけられている中、ドクタードルフィンこと松久正氏が主催する『神ドクター降臨 in Oita』とのツアーに合流して、大分県の宇佐神宮を50名ほどで参拝したと報じられました。私の故郷でこんなことがあるなんて、なかなかショックです。
“文春砲”を受けた松久氏の言い訳が意味不明!
私が最初に松久氏を知ったのは、昨年11月の「龍の日」なるイベント。デューク更家氏ら出演者によるオープニングトークの舞台で、ひときわテンション高く騒いでいたのが松久氏でした。甲高い声と早口で何を言っているかよくわからなくて、出演者も会場も引いていたことを覚えています。
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この時、私の頭の中に“要注意人物”として刻まれ、書店で松久氏の著書『死と病気は芸術だ!』(ヴォイス)などを見かけて手に取るも、これまた意味不明で、5秒で棚に戻したこともありました。言い訳にはなりますが、松久氏に対する印象といえば、全部「何を言っているのかさっぱりわからん」だったので、コラムのテーマにするのも難しかったのです。
「UFOエネルギー」「地球人革命」といった言葉が並ぶ著書を見て、かなりスピリチュアル系な発信をしている人物だということは、容易にわかりました。当コラムでも取り上げた、“胎内記憶”の池川明医師とも懇意で、「ヘンタイドクターズ」なるグループを結成し、共著『いのちのヌード まっさらな命と真剣に向き合う医師たちのプロジェクト』(同)を出版しています。ちなみに、松久氏はヘンタイドクターズのリーダーで、「ピンクレンジャー」だそうです(何その設定?)。
さて、今回の文春砲を受けて、ドクタードルフィンこと松久氏は、Facebookに“言い訳”を投稿しています。
「いまのウィルス騒動を収めるには、外出禁止、自粛は、微々たる効果があるだけ。人間の意識エネルギーに、ウィルスが誕生したり、反応する。外出していても、意識内容が重要。ウィルス感染することを受け入れて、敢えて、自らを進化させる人間の魂も、少なからず、存在します。これは、データで立証できない、高次元の知識です」
「いまの医者や権力者たちには救えない、多くの人間を救えるのは、私がいままでの地球にはない、高次元の医学と生き方を生み出してきたから。私でないと救えない、いまの地球社会で救われない人々が、大勢いることを知ってほしい」(以上、4月15日の投稿より)
……やはり、何を言っているのかわかりません。こうした松久氏の謎文章以上に驚くのは、この投稿に「心から応援します」とか、「いつの時代も先駆者は叩かれてしまいますね」といった、支持者からの“慰めコメント”がついていること。松久氏を信頼している人が、一定数いるという事実です。今この状況下で「外出自粛は微々たる効果があるだけ」と唱える人に、医学を語らせてはマズいと思うのですが、そう感じていない人が存在するのは、非常に恐ろしいことではないでしょうか。