「人殺してもいい」を唱える“トンデモ心理学”――スピリチュアルな心屋仁之助氏と人気争う“ナリ君”の正体
実は以前、「ナリ心理学」にハマった友人とトラブルになっているという方から、メッセージをいただきました。「『ナリ心理学』に心酔して母親を傷つけている友人を止めたい」といった内容で、その友人は何度注意しても実母の罵倒を続け、「母親を変えるためだ」と聞く耳を持たないのだとか。そんな友人と、大げんかになってしまったらしいのです。
ナリ君のブログを読んでいるとわかりますが、「ナリ心理学」は人間関係の悩みの多くを“親のせい”にしがちです。なんでも、その友人は今年2月22日に更新された「親は信じて、死んでもらおう。」というタイトルのブログに影響を受けたのだとか。ざっくり説明すると、「親が間違ったことを言ったら傷つけていい」といった内容です。「もし仮に、母親になんか言われて。→母親をちゃんと説教して。→母親が傷ついて。→母親が自殺したり、病気になったとしても。おれは、『まぁ、仕方ないよね。失敗したの母親だし。笑』って思える」とのこと。正気の沙汰ではありませんね、コレ。
こうした強い言葉に背中を押され、友人は勘違いしてしまったのでしょう。結局、心配してくれた人との関係にまで亀裂が入ってしまったのです。乱雑な表現をうのみにすれば、同じような問題がたくさん起こるかもしれません。Amebaブログはもちろん、彼をコンテンツとして扱っている媒体は、こうした言動を知っているのでしょうか?
“エセ心理師”に対して、そろそろ怒っていいのでは?
きちんと資格を取って「心理学」をなりわいとしている方々は、そろそろ怒っていいと思います。「軽々しく“心理学”を名乗るな」と。人の真剣な悩みに対し、悪ふざけを交えながらあざ笑い、時に犯罪まで肯定するような心理学と、一緒にされたくないはずです(それとも、相手にするほどじゃないと思っているのか……)。ナリ君が「人気者」のように見えても、それは非常に局地的で、ごくごく一部の話です。悩みを抱える人が“教祖様”の無責任なざれ言に感化されないよう、本当に頼るべき場所を教えてあげてほしいと思います。
ちなみに、このコラムを書くためにナリ君のブログを苦しみながら読みましたが、4月6日には「今行ってるのは『宗教的』ってことだ。ナリ心理学も当然だけど。これから時代はどんどん『宗教的』になっていくよ。もうなりまくってるけど、よりなるだろうね」とつづっていました。……なんだよ、自分が「心理師」じゃなくて「教祖様」ってわかってるじゃん!? ということで、この不安渦巻く情勢で、理解しがたい胡散臭い人たちには心を預けないよう、気をつけたほうがいいナリよ!