コラム
【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

天皇が女官の顔を“ペチョペチョ”舐める!? 皇后さまの嫉妬爆発、「女の園」の日常風景【日本のアウト皇室史】

2020/04/25 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

『椿の局の記』(近代文芸社新書)

――今の私たちと比べるのは間違いだとわかってはいても、そこまで徹底していると怖くなってしまいます。

堀江 それこそが「女の道」であるというふうに彼女は実家で教えられ、立派な女官となるべくしつけていかれたのでしょう。実際、彼女の実家である梨木家は、女官を輩出しつづけたお家柄ですしね。

――逆に庶民のほうが、生き方という点では自由だったということでしょうか。

堀江 まさに。彼女の場合は宮中ともゆかりの深い旧家に生まれ、さらには明治天皇のスカウトがあったことから、自分も女官になる人生しかあり得ませんでした。そして、同じようなことは、多かれ少なかれ、大正天皇の皇后となるべく思春期以降を過ごしてきた貞明皇后にもいえます。

 貞明皇后の坂東登女子への嫉妬はなかなか激しいものだったようですが、それはある意味で仕方ないことのように僕には思えます。皇后として、皇子を合計で四人も生んで育てるという大仕事を成し遂げたというのに、大正天皇の気持ちがフラフラっと別の女性に向かおうとしているのを感じてしまうと、別に具体的な浮気をしたとかいうのでなくても、とにかくおつらいのでしょう。

――自分の人生すべてを否定されたような気持ちになってしまう感じでしょうか。

堀江 そうなんです。ただ、貞明皇后の夫は「天皇」ですから、やりきれない不満や怒りはどうしても女官に向かってしまうわけですね。ちなみに坂東登女子いわく、大正天皇と貞明皇后は「けんかなんかしたことないですね」、だそうです。お互いに「ご忍耐があらしゃる」……夫婦ともにお互いのことを気遣い、我慢強かったというんですが、やはり天皇とて生身の人間ですから、貞明皇后のことをいくら大事にしていても、お気に入りの女官ができてしまったりもしました。

 また、坂東登女子は「大正天皇は病弱である一方、抜群にご聡明で、とくに何事もたちどころに覚えてしまう記憶力はすごいものだった」とも言っています。その一方で、天皇は「お茶目さん」だった、と。ユーモアがあるということですが、「お茶目さん」なところが強く出すぎてしまうこともありました。

 たとえば食事の給仕を「お気に入り」の坂東登女子にやらせているとき、彼女の腕を(冗談で)ぎゅっと握って離さない、とかね。それを貞明皇后は近視気味ということもあったにせよ、ものすごい形相で凝視しているのだそうです……(笑)。

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