ヒロミ、“番組クラッシャー”の業界評――『火曜サプライズ』MC続投にかける“窮状”
4月14日放送の『火曜サプライズSP』(日本テレビ系)でヒロミのMC続投が明らかになった。もともとヒロミが司会を務めるに至ったのは、ロンドン留学のため芸能活動を休止し、番組を一時降板していたウエンツ瑛士の“代役”に指名されたという背景がある。
ウエンツが留学する前の2018年9月18日放送の同番組で、ヒロミはウエンツに向けて「お前が帰って来るまで、おじさん、頑張るんで」と、あくまでその間の“代理”であると明言していた。そのウエンツは今月7日放送ですでに復帰。ヒロミの務めは終了したと思われた。
「しかし、14日の番組では、こんなやりとりが交わされていました。まず、若手の頃から親交のあるホンジャマカ・石塚英彦が『視聴者のみんなも疑問に思ってるので……ヒロミさん、やってくれるんでしょ、ずっと?』と、ウエンツが戻った後も司会を続けてくれるのかと質問。するとヒロミは、『僕ですか? どうしたらいいですか?』と聞き返したのです。意図的な展開だったとしても、いつもは歯に衣着せぬ発言をするヒロミが、そこで下駄を預けるのは、あまりにらしくない」(芸能ライター)
昔のヒロミなら、ウエンツが番組に復帰した時点で、自分の役目は終わったと言いそうなものだが、この時は逡巡し、周囲にそれを委ねたのだ。そこには、ヒロミの芸能界での今の立ち位置が関係しているという。
「ヒロミは90年代にブレークした頃から、司会する番組が短命に終わってしまう“番組クラッシャー”として業界では知られてきました。もちろん、それだけ数をこなしてきた証しでもありますが、例えば1989年から続いていた『はなきんデータランド』(テレビ朝日系)が95年にリニューアルされたとき、それまでMCを務めていた桂文珍に代わり、ヒロミが就任。するとその後、わずか1年で終了してしまったのです。そのほか、『最大公約ショー』(TBS系)は8カ月、『ザ・BINGOスター』(テレビ東京系)は1年、上岡龍太郎と務めた日曜昼の番組『上岡・ヒロミの花も嵐も』(フジテレビ系)も1年で終了しています」(業界関係者)
ヒロミの代名詞となる番組名を聞かれて、答えられるお茶の間の人間は少ないだろう。それだけ、ヒット番組に恵まれてこなかったのだ。
ちなみに2010年代に再ブレークを果たしたあとも、“任される番組の寿命が短い”説は図らずも立証されている。例えば昨年1月から、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)の真裏で『アオハル(青春)TV』(フジテレビ系)という番組がスタートするも、7カ月でひっそりと終了した。
芸能界の浮き沈みを経験し、番組継続の難しさを知っているヒロミのことだ。09年から続き、安定した視聴率を稼ぐ長寿番組『火サプ』司会の座を、簡単に手放したくないとすれば、その気持ちもわかる。
だが、ヒロミにはレギュラー番組に固執するもう一つの“理由”があるという。
「4月7日の『バイキング』(フジテレビ系)に出た際、彼は新型コロナウイルスの影響で芸能人のお店も経営難に陥っているという話題を振られると、『(このままの状態で)何カ月耐えられるか。頭の中で計算ばかりして、やってますよ』と、自身の経営するトレーニングジムの状況も含めながら窮状を訴えていました。つまり、生活基盤である“副業”に危機が訪れていることを明かしたのです。実際、この放送の2日後にジムは休業していますし、そのあたりにもヒロミが、復帰したウエンツにMCの座を戻す形を取れなかった背景がありそうです」(同)
とはいえ『火サプ』は“街ぶら”番組。目下、どのようなロケが撮影されているのか、もしくは中断しているのかもしれないが、番組が続く限りギャラは支払われる。視聴者の中には、ヒロミが出るようになってから、「和やかだった番組の雰囲気が変わってしまった」という不満を漏らす者もいるようだが、当面は我慢してもらうほかなさそうだ。
(村上春虎)