3万9,800円のブレスレットが人生を変えた! 「散財」とは無縁なアラサーが、たった2年で1,300万円を溶かすようになるまで――
私が“買い物狂い”に覚醒したきっかけ―――その原点は、30歳のバースデーに妹がプレゼントしてくれたブレスレットにあります。薄水色の可愛いリボンが結ばれた小さな箱。そのリボンをほどいてみると、キラキラしたピンクゴールドのブレスレットが入っていました。
当時、アクセサリーなんて一個もつけたことのなかった私は、「なんかよくわからんけど、キラキラしててはかないものが私の腕についとる‼」と、その華奢さに衝撃を受けました。
「自分の手なのに自分じゃないみたい……。まるで、お姫さまの手だわ……!」
そのブレスレットをするときには、なんだか手先までピーンと伸び、自分が“レディ”になった感じがしたものです。結局、ブレスレットは金具がゆるんで電車の中で落としてしまったのですが、32歳の正月、暇すぎてゴロゴロしていた私は、ふと、ブレスレットをつけたときの高揚感を思い出したのでした。
「アクセサリーって、自分でも買えるんではないか……?」
素材の知識も、色石の名前も、ダイヤモンドの4C(カラット、カット、クオリティ、カラー)すらも知らなかった私は、ライターという職業病も重なり、その日から猛烈にアクセサリーについて調べ始めました。
結果、「よくわからんけど、K18なら変色がほとんどないらしい」「K10よりもK18のほうが高級」「一生モノが欲しいなら、アクセサリーよりも、貴金属や宝石が使われているジュエリーを買うべし」というにわかな知識を得て、ジュエリーショップに突撃。そこで、冒頭にお伝えした「3万9,800円のブレスレット」に出会ったわけです。
「3万9,800円って? ほぼ4万円じゃん……?」
銀行に1,000万円以上貯金がありましたが、それは当時の私の中では「使うものではないお金」。そういう“普通”の金銭感覚が、当時の私にはあったのです。「貯蓄用のお金に手を出すべからず」というまっとうな感覚が……。
その日、私はジュエリーを買う軍資金として5万円を財布の中に入れていました。4万円のブレスレットを購入したら、残金は1万円。諭吉が5人もいたのに、たった1人になってしまう……。何文字書いた分のお金がふっとぶんだ……? と、頭の中でおやめなさい、私‼
しかし、店員さんもプロでした。挙動不審な私の姿を見ると、「こいつは押せばなんとかなる」と踏んだのか、にこにこしながら「おつけになられますか?」とケースからブレスレットを取り出したのです。そして、うやうやしく右手に添えられたブレスレット。うォオ! あたしの腕がすごく華奢になった気がするゥゥゥゥ‼
「これ、いただきます!」
その瞬間、私は買い物狂いへの記念すべき(?)第一歩を踏み出しました。
こうして話している今、「そういえば、今日は買い物しなかったな~、1日中家でゴロゴロしてたもんね」と思い、ふとメールチェックをすると、Amazonから「商品を発送しました」というメールが3件来ていました。息をするかの如く、本を3冊買っていたようです。もはや3,000円程度の買い物は買い物じゃないとカウントしている私の脳……。
このコラムでは、私が過去を振り返って、買い物狂いゆえの考え方や事件をこれからまとめていきたいと思います。ぜひおつきあいくださいませ。