「VERY」教育虐待・不妊を語るウラで、カバーモデル・矢野未希子の“いい妻”連載がツラすぎる!
ただファッションを提示するだけではないのが「VERY」の大きな特徴で、近年は社会問題を頻繁に特集しています。今号で取り上げているのは、卵子凍結、教育虐待について。
「受験勉強だけじゃない、過剰な習い事も… もしかして、教育虐待?」では“教育虐待”について、専門家からの解説とアドバイス。「子どもを周りと比較し、親としての自分にも優劣をつける考え方を変えてください」「親の期待で何かを強いるのはスタートとしては好ましくありません」といった“正しいこと”が的確に書かれています。ただ、その“正しいこと”がどうしてもできず、苦しんでいる親もいるのでは……。しかし次のページでは、教育虐待の概念を提唱した臨床心理士・武田信子氏のインタビューが掲載されており、武田氏は「教育虐待は親の責任ではなく、日本の社会や学校教育を含めたこの国の現状が原因」ときっぱり語っていて、「いいね!」を押したくなりました。
たとえば“ほかの子と比べるのはよくない”はよく言われますが、ではなぜ親がほかの子と比べてしまうのかといえば、おそらく社会の構造や価値観とは無関係ではなく、教育虐待は親を責めるだけでは解決しない問題であることは、子育て世代が知っておくべき情報ではないでしょうか。
VERYモデルたちのノロケ連載
「VERY」では、モデルによるコラムが複数ありますが、なかには毒にも薬にもならぬ内容も混ざっています。
最も不可解なのは、2020年1月号から「VERY」カバーモデルを務めている矢野未希子の新連載「今月の“いい妻”みっこ(ハート)」。夫との出会いや、付き合って1週間後に夫の髪形やファッションを自分好みにイメチェンさせたことについて、「ハート」や「(笑)」を多用しながら記されているのですが、この連載、「VERY」に必要……? 女性の生き方や子育てについて意識の高い「VERY」だけに、読み物ページで読者が求めているのは、一人の女性がさまざまな選択をしながら生きていく上で生じる迷いや葛藤、それらをどう乗り越えたか、あるいはどう折り合いをつけたかとか、生々しさや人間味、はたまた社会への問題提起を伴ったエピソードではないでしょうか。
来月はプロポーズについて語るとのことで、「次号もお楽しみに(ハート)」と終えていますが、矢野の連載を楽しみにしている読者がどれだけいるのか、心配になった次第です。
(中崎亜衣)