「刑事なんか、カネで買える」 元極妻が考える、ヤクザと警察の癒着の“実態”
さて、この暴排条例ですが、ヤクザも金融機関の口座を作れなかったりで、破壊力はたいしたものです。
とはいえフライデーに激写されたマル暴刑事さんのように、ふだんヤクザとずぶずぶの人にとっても迷惑なのは明らか。ちょっと前までヤクザと警察は「持ちつ持たれつ」だったのに、急に条例で「ヤクザとつきあうな」といわれても、培われた関係は簡単には断ち切れません。フライデーの刑事さんも、ヤクザ人脈は単独で作ったのではないと思います。先輩から、そしてその先輩は、そのまた先輩からと、代々(?)引き継がれてきたのでしょう。
こんな関係を題材にした映画や小説は、北野武監督の映画『アウトレイジ』シリーズや白石和彌監督の『日本で一番悪い奴ら』『孤狼の血』などなど、たくさんありますよね。
知り合いの姐さんは、札幌の喫茶店で、『日本で一番悪い奴ら』のモデルになった刑事さんを見かけたことがあるそうです。隣の席でヤクザとコーヒーを飲んでいて、見た目も“反社そのもの”だったとか。ご主人から、「あいつもそろそろパクられる(逮捕される)」と耳打ちされ、実際にその通りになったんですね。この刑事さんも、現在は出所されて、出版した暴露本が映画にもなって、よかったですね。
今でも地方に行くと「けっこうずぶずぶ」とは聞いていましたが、今回のフライデーは東京しかも六本木という大都会ですから、驚きです。この記事の教訓は、「昭和的なヤクザと警察の癒着は東京にもまだある」ということ、「暴排が厳しくても刑事を接待できるような資金力がある親分もいる」ということですね。
ちなみにマル暴刑事さんは、ヤクザと情報交換するのも仕事のうちですが、お酒を酌み交わしながら身の上とかを聞いたりしているうちにヤクザに同情して親近感を持ってしまうのは、よくあることのようです。
「刑事なんか、カネで買える」
あるマル暴刑事さんのヤクザへの捜査情報漏えい事件で、ヤクザがこう話したことがわかっています。ていうか、金額次第のところはありますが、お金で動かない人は少ないでしょう。癒着を批判するのは簡単ですが、過去にも似たようなことはたくさんあったのですから、問題の根は深いのです。これからも出てくると思います。