新型コロナパニックで「高級マスク大量万引き」! 保安員が驚いた「女泥棒の正体」とは……
ようやくに犯行を認めてくれたので、車に積んだトートバッグを彼女に持たせて、事務所まで連行します。安っぽい応接セットに彼女を座らせ、トートバッグに隠した商品をテーブルの上に出させると、目撃したマスクのほかに、黒ニンニク(3,480円)が2袋出てきました。除菌用のアルコールティッシュを片手に、自分の周辺を拭きまくっている彼女に、これらを盗んだ理由を尋ねます。
「こんなにたくさん、どうするつもりで?」
「自分で使うためです。毎日使うものだからストックしておきたくて……」
「黒ニンニクは? お好きなの?」
「いえ、ウイルスが恐いから、免疫を上げようかと……」
身分を確認させてもらうために免許証を見せてもらうと、彼女は32歳。ここから車で10分ほどのところに、母親と二人で暮らしていると言いました。写真を見たところ、女優の遠野なぎ子さんに似た美形で、とても万引きするような人には見えません。所持金を聞けば、3万円ほど持っているので、生活苦というわけでもなさそうです。
「お金あるのに、どうして払わなかったんですか?」
「新しい空気清浄器を買ったりしたから、これ以上、ウイルス対策にお金を使うのが嫌になっちゃって……」
「コロナウイルス、確かに怖いわよね」
「はい。外に出るのも怖いくらいで、いまここにいるのもつらいです」
報告を受けて駆けつけた店長さんに謝罪をするにあたり、帽子とマスク、それにサングラスを外すよう彼女に促すと、病的なほど白い肌が露わになりました。とてもきれいな方であるに違いありませんが、キラキラ感のある免許証の写真と比べてみれば、かなり焦燥している感じに見えます。
「この度は、申し訳ありませんでした。お支払いいたしますので、どうかお許しください」