新型コロナパニックで「高級マスク大量万引き」! 保安員が驚いた「女泥棒の正体」とは……
こんにちは、保安員の澄江です。
新型コロナウイルス、得体が知れなくて怖いですね。先週は、明らかに転売目的と思しき人たちや、不安を煽るデマを信じた人たちによる買い占め行為が各現場で横行し、マスクや消毒用アルコール、おむつやペーパー類などの家庭用紙製品までもが商品棚から消えました。安倍晋三首相が全国の小中高校を休校するよう一斉要請した翌日には、米やパスタ、缶詰、インスタントラーメンなど、保存性の高い食品が買い占められる始末です。自分さえよければいいのか、お一人様1点限りのルールを無視して、多数の同一商品をレジに持ち込んでゴネる客や、目的の商品が欠品状態であることを知って店員に悪態をついて掴みかかったり、腹いせに棚を蹴飛ばして警察に引き渡された迷惑客も散見されました。人は、危機を迎えると、自分のことしか考えなくなってしまう生き物なのでしょうか。いつもとは違う殺伐とした店内の雰囲気に辟易とした次第です。
こうした混乱に乗じて、万引き行為に至る不届き者も、さほど珍しくありません。多くのお客様が大量の商品をカートに載せることから、それに紛れて堂々とカゴヌケ(かごに入れた商品の精算をしないまま外に出て行く手口)する者や、人混みを利用して衣服やバッグに商品を隠匿する者などが必ず現れるのです。東日本大震災発生時には、大きな揺れに構うことなく自分のバッグに商品を隠し続け、そのまま外に出て行った老婆を捕まえました。震災発生直後の混乱から、店の人はおろか警察にまで相手にされず、商品代金を支払うことで、お咎めなく解放されたことを思い出します。折角の成果も、挙げるタイミングを間違えてしまえば、嫌な顔をされるだけで評価されないものなのです。今回は、つい先日に捕らえた火事場泥棒的万引き犯について、お話ししたいと思います。