コラム
仁科友里「女のための有名人深読み週報」

SHELLY、 “離婚イジり”をスルーする姿に感じた「子どものために元夫も自分も責めない」という信条

2020/02/27 21:00
仁科友里(ライター)

 SHELLYは『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース』(Abema TV)で、「相手(元夫)を悪者にして、笑いを取るのってすごい簡単で。だけど、それをやったときに子どもたちがかわいそう。お母さんがお父さんの悪口をテレビで言ってるって、最悪じゃないですか」と話している。つまり、元夫の悪口は言わないと決めているということだろう。

 「元夫の悪口を言わない」というと、スザンヌのことが思い出される。福岡ソフトバンクホークスの元投手・斉藤和巳氏から離婚を切り出されたスザンヌは、話し合いを希望したものの拒否され、弁護士を介してしか、やりとりができなくなったという。しかし、離婚会見で、スザンヌはそんな身勝手な夫を責めなかった。「いろんなことがあっても我慢していたんだと思う」「私の余裕がなかった」といったふうに、どちらかというと自分を責めてみせた。男を責めずに、自分がへりくだるスザンヌの会見は称賛を浴びたと記憶している。

 しかし、SHELLYはスザンヌとは違って、夫も責めないが、自分も責めない。それは偶然というよりも、信条と言えるのではないだろうか。SHELLYの「お母さんがお父さんの悪口をテレビで言ってるって、最悪じゃないですか」という理論で言うのなら、お母さんが「私がダメなオンナなので、愛想を尽かされ、離婚されてしまいました」といった具合に自虐することも、お子さんたちは喜ばないだろう。

 もちろん、バラエティータレントとしてギャラをもらっている以上、ある程度は番組の方針に沿って「離婚されたオンナ」を面白おかしく演じなくてはならない。だから、おどけて「フラれましたぁ~」と言ったりもする。けれどSHELLYには「ここだけは譲れない」というポイントがあり、それが「元夫のことも、自分のことも責めないこと」なのではないだろうか。

 「オンナを笑うこと」に疑問を持たない日本のバラエティーでは、SHELLYのように主義主張のあるタレントは扱いにくい部分があるのかもしれない。けれど、結婚も離婚も両者の合意があって成立するわけだから、どちらが離婚を言い出したかに意味があると、私は思わない。明るくしていたが、少し細くなったようにも見えるSHELLY。体に気を付けて、頑張っていただきたいものである。

仁科友里(ライター)

1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

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最終更新:2020/02/27 21:00
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