コラム
仁科友里「女のための有名人深読み週報」

SHELLY、 “離婚イジり”をスルーする姿に感じた「子どものために元夫も自分も責めない」という信条

2020/02/27 21:00
仁科友里(ライター)

 小倉もSHELLYも、番組の制作側や共演者と協力し、あえてイジらせ、笑いにすることで、離婚を暗いイメージにせず、腫れ物のように扱われるのを避けていると見ることもできるだろう。しかし、『みなさんのおかげでした』や『行列のできる法律相談所』の出演者の発言を聞いていると、小倉とSHELLYが抱いているかもしれない思いとは裏腹に、「夫に不倫されて離婚するオンナ、夫から離婚を言い渡されたオンナというのはみっともない、恥ずかしい。だから、バカにしてもいい」という価値観を、制作側、もしくは出演者が持っているのではないかと思わされる。

 特にSHELLYは、バラエティーが主戦場のタレントなので、イジりがきつい。渡部はSHELLYを「笑いを食いつぶす野犬」とも表現していたが、離婚話は腕次第で、笑いのネタになる。制作サイドはそうしたエピソードを知りたいと思ったのか、事前アンケートで「最近イライラしたことは何ですか?」と尋ねたが、SHELLYは「喉を痛めてしまい、あまりしゃべらないようにしていました」と、離婚とは全然関係ない回答をする。「最近、気になることは?」という質問にも「ナマケモノに会いたい」、「弁護士軍団に相談したいこと」という質問にも「『SHELLYおすすめの店』と勝手に宣伝されて、困ってます」と頑として離婚に触れなかった。

 東野は「勘のいいSHELLYならわかるやろ」と突っ込んでいたが、離婚前のSHELLYが、家事をやらない夫への不満などをはっきり口にし、それがウケていたことを考えると、つまり番組は「元夫の不満、悪口」を求めていたのだろう。しかしSHELLYは、わかっているからこそ、あえて応じなかったのではないかと思うのだ。

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