カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「ar」3月号

「ar」をブチ壊す、「LEON」編集長の言葉――女が自信を持つことは「俺たちにモテるため」ではない!

2020/02/28 16:00
島本有紀子(ライター)

 続いては「ar」おなじみ、イケメン美容師をアーティスティックな写真で紹介するコーナー。今回はTOKYOの夜がテーマで、タイトルは「イケメン美容師ときめきTONIGHT」です。毎回、写真に添えられるキャッチを楽しみにしているのですが、今回も最高でした。

 「明けない夜があってもいいよね?」「この魅力、月明かりだけじゃ照らしきれない」「第一志望はあなたです(ハート) 恋の桜、咲きますか!?」など、すばらしい文句が並びます。「色気DakuDaku」と煽られた一見近寄りがたいイケイケ美容師のプロフィール欄を読んでみると、「チャームポイントは下っ腹(ハート) ファッションのこだわりは、お腹が見えないようにすることっ!」と書いてあり、一気に親近感があふれる工夫も。個人的なナンバーワンは、「『君にとって僕は何?』なんて…むしろ聞きたい 王子以外にありますか?」でした。

 しかし、タイトルの元ネタであるラブコメマンガ『ときめきトゥナイト』(集英社「りぼん」にて、1982年7月号から94年10月号まで連載)を知っている「ar」読者って、どれくらいいるのだろうか。

あるある令和男子図鑑

 最後は読み物企画の「令和男子図鑑」。ジャンル分けした女子を皮肉交じりに描くイラストレーター「つぼゆり」の作品を模したかのような、この企画。「アイラブ俺男子」「唯我独尊男子」「“おこだわり”男子」「いくつでちゅか男子」「僕カワイイでしょ男子」「自称イケイケ男子」の6タイプが紹介されています。

 こだわりの強さが前面に出る「“おこだわり”男子」は、「サチモスについて語りがち」「お互い無言で文庫本読むデート」「恵比寿や広尾などはもう飽きた感を出す」。オレオレパリピ系な「唯我独尊男子」は、「#出会いに感謝 #日々成長 #俺らまだ若くね? など浅い言葉のハッシュタグをつけたがる」、学生のように飲みたがる「いくつでちゅか男子」は「飲み会を“呑み会”と書く」「やたら動画や写真を撮る。(略)‟飲み会で輝く俺”を記録」など、どれも結構男性をバカにしている印象です。

 自分アゲ剤を持っているLOVE充な読者には、これくらい引いた目線で男子を観察したほうが、おかしな男子に引っ掛からなくて済むのだろうかと、またしてもオカン的な目線で感じました。

島本有紀子(ライター)

女性ファッション誌ウォッチャー。ファッションページから読み物ページまでチェックし、その女性誌の特性や読者像を想像するのが趣味。サイゾーウーマンでは、「ar」(主婦と生活社)と「Domani」(小学館)レビューを担当していた。

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最終更新:2020/02/28 16:00
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